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紫斑の鑑別

紫斑

・紫斑とは、文字通り外見上赤紫色の皮膚変化をきたしたものを指す。紫斑の背景には真皮ないし皮下組織への出血があり、「紫斑病」とは、紫斑を主体とした疾患のことをいう。

・紫斑はその病変の大きさによって、点状出血(直径2㎜まで)、斑状出血(直径10mm以上)などと区別して呼ばれることもある。

紫斑を生じる原因

・血管の異常(血管炎、ないし外的刺激による損傷)

・血流の異常(高ガンマグロブリン血症など全身性疾患に伴うことが多い)

・血小板の減少や機能異常によるもの

・凝固因子の異常によるもの

などがあげられますが、原因不明の特発性色素性紫斑も少なくありません。

 

紫斑を認めた場合の基本検査

・下腿に点状紫斑(petechiae)を認めた場合は、血小板減少・凝固異常・血管炎・感染症・薬剤性などを鑑別し、まず緊急性を評価したうえで検査を選択します。

・特に、紫斑が圧迫しても消退しない場合は紫斑として評価しますが、下腿に限局するか、全身に広がっているか、触知可能かによって鑑別が変わります。

まず行う基本検査

・血算(CBC)、白血球分画 :血小板減少、貧血、白血病などの評価

・末梢血塗抹標本 :血小板凝集、破砕赤血球、異常細胞の確認

・BUN、Cr、電解質:腎障害、全身性血管炎などの評価

・AST、ALT、ALP、ビリルビン、アルブミン:肝疾患などの評価

・CRP、赤沈 :炎症・感染症の評価

・尿検査(尿蛋白、尿潜血、沈渣) :腎炎、IgA血管炎などの評価

必要に応じて:

・フィブリノゲン、FDPまたはDダイマー: DICなどが疑われる場合

・血管炎を疑えば、補体、IgA、ANCAなどを追加

 

初診時には、少なくとも 血算・血小板数、末梢血塗抹、凝固系、腎機能、尿検査を基本として考えます。症状や診察所見に応じて追加します。

 

皮疹の性状に応じて追加する検査

① 触知可能な紫斑(palpable purpura)
血管炎、特にIgA血管炎や皮膚小血管炎を疑います。
  • 尿蛋白・尿潜血、尿沈渣、Cr
  • IgA、C3、C4
  • MPO-ANCA、PR3-ANCA(全身性血管炎が疑われる場合)
  • ANA
  • クリオグロブリン
  • HBV・HCV検査(病歴に応じて)
  • 皮膚生検+蛍光抗体直接法:血管炎の診断やIgA沈着の評価
② 平坦な点状紫斑(非触知性)
・血小板減少、薬剤性、毛細血管炎、機械的刺激などを考えます。
  • 血算・血小板数、末梢血塗抹

  • PT-INR、APTT

  • 服薬歴の確認(抗凝固薬、抗血小板薬、一部の抗菌薬など)

  • 必要に応じて肝機能、腎機能、血小板機能・von Willebrand因子関連検査

③ 下腿に限局し、左右対称で全身症状がない場合
運動誘発性血管炎、色素性紫斑(毛細血管炎)、静脈うっ滞なども鑑別に挙がります。
  • 皮疹の分布、浮腫、静脈瘤、運動・暑熱との関連を確認

  • 基本検査が正常で典型的な皮疹なら、追加検査が不要な場合もあります

  • 持続・増悪する場合や血管炎が疑われる場合は皮膚科で生検を検討

     

3. 見逃してはいけない所見

以下があれば、緊急評価が必要です。

  • 発熱、意識障害、血圧低下を伴う紫斑

  • 急速に拡大する紫斑、壊死、出血傾向

  • 血小板の著明な低下、貧血、腎機能障害

  • 破砕赤血球、神経症状、急性腎障害(血栓性微小血管症などを考慮)

  • 血尿・蛋白尿、腹痛、関節痛を伴う紫斑(全身性血管炎を考慮)

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