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降圧薬(とくに覚えておくべき薬剤)

高血圧に対する降圧薬治療 STEP:降圧目標を達成するための降圧薬の使い方

高血圧に対する降圧薬治療 STEP

・「高血圧管理・治療ガイドライン2025」(JSH2025)では、降圧薬治療の流れについては、3つのステップが提示された。

・まず STEP 1 では,主要降圧薬である G1降圧薬の薬剤のいずれかを,積極的適応等を考慮して単
剤で使用。

・降圧目標を達成できない場合は,STEP 2 として G1 降圧薬の薬剤を 2 剤併用し,病態に応じて G2
降圧薬(ARNI・MR 拮抗薬)も追加する.

・それでも目標未達成であれば,STEP 3 として G1・G2 降圧薬から 3剤併用する.ただし,サイアザイド系利尿薬(トリクロルメチアジド(フルイトラン®)0.5~1.0mg)が投与されていなければ追加を検討することとされた

・ただし,それでも効果がみられない場合には,専門医への紹介が考慮される

・STEP 1から2、2から3へは「できるだけ早期にステップアップ」するよう示された。

 

 

 

 

降圧薬の併用STEPにおけるグループ分類

・薬物治療においては、今回新たに降圧薬が、使い方や特徴によってG1~3の3つに分類された。

G1:Ca拮抗薬、RAS阻害薬、少量サイアザイド系利尿薬、β遮断薬

G1は降圧治療開始時から使用する主要降圧薬で、長時間作用型ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬、レニン・アンジオテンシン(RA)系阻害薬(アンジオテンシンII受容体拮抗薬[ARB]、アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬)、少量のサイアザイド系利尿薬、β遮断薬の4種。JSH2019でもこれらは主要降圧薬とされていた。

・G1はさらにG1a(長時間作用型ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬、RAS阻害薬(ARB、ACE阻害薬))とG1b(少量サイアザイド系利尿薬、β遮断薬)に分類されている。両者とも「G1=主要降圧薬」であり、G1a > G1b という優劣を意味しているわけではない

・G1bは十分なエビデンスを持ちながらも、実臨床では使用頻度がやや低い薬剤であり、もっと積極的に使っていこうというメッセージが込められている。

 

G2:ARNI、MR拮抗薬

G2は脳・心血管イベント抑制の明確なエビデンスはないものの、確かな降圧効果と一定の忍容性を持つことから、G1に次ぐ位置づけとされています。

・G2には、2021年に高血圧に適応拡大されたアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)と、ミネラルコルチコイド受容体(MR)拮抗薬の2剤が分類されている。

・降圧治療のSTEP 2、3で病態に応じて選択する。

 

G3:α遮断薬、ヒドララジン

G3には、「α遮断薬」や「ヒドララジン(アプレゾリン®)」などが含まれる。これらは起立性低血圧などの副作用が多く、忍容性が低いため、治療抵抗性高血圧や特殊な病態に限って使用が推奨される薬剤である。

 

 

・基本的には、それぞれの薬剤に「積極的適応」「禁忌」「重要な注意の下で使用可能な病態」が提示されており、それらに沿った投与が推奨されるが、G1 bに分類されたサイアザイド系利尿薬とβ遮断薬については、「本来投与されるべき病態への使用率が低く、積極的な投与が望まれる」と示された。

 

 

 

降圧薬(とくに覚えておくべき薬剤:主要降圧薬5種)

主要降圧薬5種

RAS系

Ca拮抗薬

サイアザイド系

MRA

β拮抗薬

α拮抗薬

 

 

 

ARB

・「アンジオテンシンⅡ」が「アンジオテンシンⅡ1受容体(AT1受容体)」に結合することを阻害し、血圧を下げる。

・RAS阻害薬の降圧効果はARNI>ARB>ACEI

 

ARBの使い分け:第1推奨はテルミサルタン(ミカルディス®)

 

 

第一選択:初回導入時、起床時/眠前血圧がともに高い時:

テルミサルタン(ミカルディス®)20mg、40mg、80mg錠

長時間作用型(ARB中最長の半減期20~24時間)

降圧作用は中程度

通常量 40mg 1日1回

高齢者やeGFR<30では低用量(20mg 1日1回)

 

 

降圧作用最強:

アジルサルタン(アジルバ®)OD錠 10mg、20mg、40mg

通常量 20mg 1日1回(低用量 10mg 1日1回)

強い降圧作用

長時間作用型(夜間高血圧にも有効)

 

オルメサルタン(オルメテック®) OD錠 5mg、10mg、20mg、40mg

通常量20mg 1日1回(低用量5~10mg1日1回)

重度の下痢の副作用あり

 

高血圧のない蛋白尿陽性CKDに対する腎保護作用目的:

ロサルタン(ニューロタン®)25mg、50mg、100mg錠

降圧作用はARB中最も弱い

腎保護作用が証明されている

低血圧傾向の尿蛋白陽性CKDに腎保護作用を期待して継続投与可能(「高血圧および尿蛋白を伴う2型糖尿病における糖尿病性腎症」に適応がある)

尿酸排泄促進効果(尿酸値低下効果)を有する

通常量50mg 1日1回

高齢者やeGFR<30では低用量(25mg 1日1回)

 

 

 

ACE阻害薬

処方例:

・エナラプリル(レニベース®)2.5mg、5mg、10mg錠

通常 5〜10mg 1日1回
年齢、症状により適宜増減する。

・ペリンドプリル(コバシル®)

・リシノプリル(ロンゲス®ゼストリル®) 1回5㎎ 1日1回朝食後

慢性心不全への効能、効果を有する

・イミダプリル(タナトリル®)(5㎎) 1回0.5~2錠 1日1回

 

作用機序

・「アンジオテンシンⅠ」を「アンジオテンシンⅡ」に変換する酵素「アンジオテンシン変換酵素(ACE)」を阻害することで血圧を下げる。

※ブラジキニン作用による空咳、血管浮腫の副作用

ACE阻害薬は同時に「ブラジキニン」の分解も阻害してしまうため、身体に「ブラジキニン」が蓄積するため

 

 

 

Ca拮抗薬

アムロジピン(アムロジン®、ノルバスク®) :OD 2.5mg、5mg、10mg

通常量2.5~5mg 1日1回、最大10mg

最も長時間作用型、多く使用されている

用量依存性に浮腫の副作用あり

 

ニフェジピン(アダラート®、セパミット®): CR10mg、20mg 、40mg

通常量:20mg 1日1回、最大40~80mg

低用量:10mg

CCBの中で最も降圧作用が強い

尿蛋白は増加しない

 

シルニジピン(アテレック®)10mg

1回0.5~2錠 1日1回

腎保護作用、頻脈を起こしにくい

 

サイアザイド系利尿薬

・遠位曲尿細管腔側のNa-Cl共輸送体(NCC1)を阻害してNa再吸収を抑制

・降圧作用があり、主として外来での降圧治療に用いられる

・作用時間が長く、1日1回投与で十分

高血圧に対しては少量で有効(増量しても効果は変わりなく副作用が増す危険性があるため、少量投与が推奨されている)

・利尿作用は強くない

・RAS阻害薬+ca拮抗薬で血圧コントロール困難で、浮腫や塩分過多を伴う高血圧症にRAS系+CCBに3剤目として追加で併用

・腎機能障害時(eGFR<30mL/分)には効果が低い(→この場合はループ利尿薬を考慮)

ループ利尿薬との併用により利尿効果が増大するため、浮腫性疾患や腎機能障害時にしばしば併用される

・使用目的

外来での高血圧治療

高カリウム血症の治療

利尿薬抵抗性の際のループ利尿薬との併用

・副作用として、低K血症

例)

インダパミド(ナトリックス®)0.5~1mg 1日1回

サイアザイド類似利尿薬

降圧効果も比較的高い

トリクロルメチアジド(フルイトラン®)0.5~1mg 1日1回

・ヒドロクロロチアジド(12.5㎎) 1回0.5~1錠 1日1回朝食後

 

ループ利尿薬:

eGFR<30mL/分/1.73m2未満の腎不全患者でサイアザイド系の効果が期待できない場合に、高血圧の適応はないが選択肢に入る

・フロセミド(ラシックス®)(20㎎) 1回1~4錠 1日1回(連日または隔日)

・アゾセミド(ダイアート®)(30㎎) 1回1~2錠 1日1回

フロセミドより作用時間が長い

 

 

β遮断薬

心筋虚血や心不全、頻脈等、優先して投与すべき病態が存在する場合は第一選択薬として併用可能だが、原則的には投与可能な第一選択薬がすべて併用された後で使用を検討する

・アテノロール(テノーミン®)

・ビソプロロール(メインテート®)

β1選択性

・メトプロロール(セロケン®、ロプレソール®)

 

MRA(mineralocorticoid receptor antagonist:ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)

・HFrEFに対してfantastic 4の1剤として処方

・腎性蛋白尿に対して処方

・肝硬変に対してループ利尿薬と併用

 

スピロノラクトン(アルダクトンA®)

・1日1回25~50mg

・女性化乳房、月経痛、勃起不全などの副作用がある

 

エプレレノン(セララ®)

・1日1回 50~100mg

・副作用が少ない

 

α1遮断薬

・ドキサゾシン(カルデナリン®)

 

 

 

 

 

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