総論
概要
・ステロイド外用は、効果の強弱によって5つのランクに分類される
・薬効が強いほど炎症を抑える効果は高いが、副作用も起きやすい
部位毎の経皮吸収率
・前腕屈側部のステロイド吸収率を1とした時の体の各部位の経皮吸収率
・顔面、外陰部にはmedium(Ⅳ群)が第一選択となる
・陰嚢 42
・顔面 13
・頚部 6
・腋窩 3.6
・前腕屈側部 1
副作用(皮膚の菲薄化、酒さ)
・ステロイドの細胞増殖抑制作用により、表皮細胞の増殖抑制がおこる。そのため副作用として「皮膚の萎縮(菲薄化)が起こる。
・また長期の塗布により毛細血管が拡張し「酒さ」を引き起こす。
使用量(finger tip unit:FTU)
・外用薬の必要十分な使用量は、皮膚がしっとりする程度
・その目安として、「finger tip unit(FTU)」が提唱されている。
・FTUとは、示指の屈側末節先端からDIPまで軟膏を絞り出した量をいう。
・口径が5mmのチューブの場合、1FTUは概ね0.5gとなり、手掌2枚分の面積(体表面積の約2%)に塗布するのに適した量であるとされる。
(成人に全身塗布する場合、1回に保湿剤を約20g(40FTU)要する計算になる)
ステロイド外用薬のランク
・Ⅳ群やⅤ群は乳幼児でも使用しやすい
・成人でも顔や陰部などのステロイドが吸収しやすい部位は、皮膚の菲薄化や酒さを引き起こさないようにⅣ群、Ⅴ群が使用されることが多い
Ⅰ群(strongest)
・デルモベート
Ⅱ群(very strong)
・アンテベート
・マイザー
・リンデロンジプロピオン酸エステル(リンデロンDP)
Ⅲ群(strong)
・ボアラ
・ベトネベート
・フルコート
・ベタメタゾン吉草酸エステル(リンデロンV)
Ⅳ群(medium):顔面、外陰部に使用可
・アルメタ
・ロコイド(ヒドロコルチゾン酪酸エステル)
・リドメックス(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)
Ⅴ群(weak):顔面、外陰部に使用可
・キンダベート
・コルテス(ヒドロコルチゾン酢酸エステル)
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