疾患
・PBCは中高年女性に好発し、胆道系酵素(ALP、γ-GTP )上昇と血清IgM高値ならびに抗ミトコンドリアM2抗体(AMA)陽性を特徴とする。
・自己免疫性の胆管細胞障害、慢性の胆汁うっ滞疾患
・織学的には、慢性非化膿性破壊性胆管炎(chronic non-suppurative destructive cholangitis:CNSDC)を特徴とし、小葉間胆管が破壊されることにより慢性進行性に胆汁うっ滞を呈する疾患である。
・疾患の経過で効率に胆管癌を発症するため注意が必要。
・脂溶性ビタミンの吸収障害に基づく骨粗鬆症を併発
想起する状況
・健診時、胆道系酵素(ALP、γ-GTP)の上昇を認めた場合に想起する。
・ほかにシェーグレン症候群、関節リウマチ、慢性甲状腺炎などの自己免疫性疾患に肝障害を認めた場合にも原因疾患として想起する。
・診断の際は、50~60%は無症候であるとの報告がある。
診断
・血液所見で慢性の胆汁うっ滞所見(ALP、γ-GTP の上昇)と 抗ミトコンドリアM2抗体(AMA)陽性(間接蛍光抗体法またはELISA 法による)(感度 95%、特異度98%)
・CT検査等で他疾患が除外され、また、さらに肝組織学的検査で特徴的所見(CNSDC、肉芽腫、胆管消失)が確認されればPBCの診断となる。
・現実的には、ALPが正常値上限の1.5倍を認め、AMA抗体が1:40倍以上を認めた場合は、ほとんどの場合でPBCの診断となる。
治療
・免疫抑制療法の有効性は認めていない
・ウルソデオキシコール酸投与が行われる
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