安衛法令上の衛生基準(休養室、仮眠室、便所)

休養室

・事業者は、常時 50 人以上又は常時女性 30 人以上の労働者を使用するときは、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない

(労働安全衛生規則第618条)

※ 「休養室」「休養所」とは:

・体調不良の労働者が横になって休むための設備(「休憩室」とは異なる)

 

睡眠及び仮眠の設備

・安衛則第616条第1項は「事業者は、夜間に労働者に睡眠を与える必要のあるとき、又は労働者が就業の途中に仮眠することのできる機会があるときは、適当な睡眠又は仮眠の場所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない」と定める。

・そして、同条第2項は「事業者は、前項の場所には、寝具、かやその他必要な用品を備え、かつ、疾病感染を予防する措置を講じなければならない」と定める。

 

便所

・安衛則第628条(第2号)は、坑内等特殊な作業場でやむを得ない事由がある場合で、適当な数の便所又は便器を備えたときを除き、男性用大便所の便房の数は、原則として同時に就業する男性労働者60人以内ごとに1個以上とすることと定める。

男性用小便所の箇所数は、同時に就業する男性労働者30人以内ごとに原則として1個以上としなければならないのは、男性用小便所の箇所数である。

・女性用便所の便房の数は、同時に就業する女性労働者の数が20人以内ごとに1個以上

 

事務所衛生基準規則等の改正(令和3年12月1日施行):
付加的に設ける「独立個室型の便所」の取扱い

旧事務所則に基づき男性用便所、女性用便所を設けいる事業場が、新たに独立個室型の便所を追加して設けようとする場合は、法令改正により、その便所も事務所則に基づく便所として取り扱われることとなり、具体的には、独立個室型の便所1つにつき、男性10人分、女性10人分を減ずることができることとした。

 

例)同時に就業する労働者数が男性 65 人、女性 65 人である場合:

【便所の設置基準】

●男性用と女性用に区別すること

●男性用大便所の便房数:同時に就業する男性労働者 60 人以内ごとに 1 個以上

●男性用小便所の箇所数:同時に就業する男性労働者 30 人以内ごとに 1 個以上

●女性用便所の便房数:同時に就業する女性労働者 20 人以内ごとに 1 個以上

(1)男性用と女性用に区別した便所のみを設けた場合の必要数:

男性用大便所 2 個

男性用小便所 3 箇所

女性用便所 4 個

 

(2)「独立個室型の便所」を1個設けた場合の必要数:
必要数を算定する際の男性労働者数 65 人→55 人、女性労働者数65 人→55 人となるため

独立個室型の便所 1 個

男性用大便所 1 個

男性用小便所 2 箇所

女性用便所 3 個

 

少人数の事務所における独立個室型の便所の特例

同時に就業する労働者の数が常時 10 人以内である事業場においては、四方を壁等で囲まれた1個の便房により構成される独立個室型の便所を1か所設ければ、男性用、女性用に区別した便所を設ける必要はない。

 

 

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