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川崎病診断基準(改訂第6版:2019年5月改訂)

川崎病(疾患)

・川崎病は乳幼児に好発する急性熱性疾患であり、全身の中型・小型の筋性動脈での血管炎を主病変とした血管炎症候群。

・1967年に川崎富作氏により原著が報告されてから半世紀になろうとしているが、いまだ原因は不明。疫学および臨床像からは感染のほか,より可能性が高いものとして遺伝的素因をもつ小児における感染に対する異常な免疫反応が示唆されている。自己免疫疾患の可能性もある。

 

・男女比はおよそ1.5:1である。患児の80%は5歳未満である(ピークは生後18~24カ月)。青年,成人,生後4カ月未満の乳児の症例はまれである。

・女児より男児に多く、年中いつでも発症しますが、冬の終わりと春に多い傾向があります。

・1年間に日本全国で約1万5,000人の子供さんがかかりますが、現在もなお患者数が増加しています。

・少なくとも5日以上続く原因不明の発熱で始まる。子どもはとてもイライラした状態になり、発熱と同時あるいは遅れて目の充血(結膜炎)が起こりる(眼脂は伴はない)。

・5日以内に,多形性で紅斑性の斑状発疹が主として体幹一面に現れ,しばしば会陰部で強くみられる。発疹は,蕁麻疹様,麻疹様,多形紅斑様,または猩紅熱様である。

・咽頭の充血、口唇の発赤,乾燥,亀裂、および赤い苺舌が随伴する。

・手のひらや足のうらは発赤、腫脹し、2~3週間後には指先やつま先から皮が剥けるのが特徴です

・過半数の患者で頸部リンパ節が腫脹する。 しばしば直径1.5cm以上のリンパ節が一個だけ触れることもあります。

・その他、 関節の痛みや腫脹、腹痛、下痢、興奮、頭痛がみられることもあります。BCG接種を過去にうけた場合、接種部位の発赤を認めることもあります。

・心臓の症状は慢性の合併症となる可能性のある最も重篤な所見です。心雑音、不整脈、心エコー検査での異常所見を認めるかもしれません。心臓を包んでいる膜(心外膜)や、心臓の筋肉(心筋)、心臓内の弁など、心臓のすべての部位でさまざまな炎症が起こります。しかし、この病気の一番の特徴は冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)が出来ることです。

・無治療の場合には約25~30%の割合で冠動脈に拡大性病変(coronary artery lesion, CAL)を合併し、この病変は、血栓形成によって心筋梗塞発症の危険因子となります。このため、適切な急性期治療により強い炎症反応を速やかに終息させ、血管病変の出現を抑制することが重要となります。

 

 

 

 

 

川崎病診断基準(改訂第6版:2019年5月改訂)

川崎病診断の手引き 改訂第 6 版

 

本症は、主として 4 歳以下の乳幼児に好発する原因不明の疾患で、その症候は以下の主要症状と参考条項とに分けられる。

主要症状

1. 発熱(発熱の日数は問わない)
2. 両側眼球結膜の充血
3. 口唇、口腔所見:口唇の紅潮、いちご舌、口腔咽頭粘膜のびまん性発赤
4. 発疹(BCG 接種痕の発赤を含む)
5. 四肢末端の変化:

(急性期)手足の硬性浮腫、手掌足底または指趾先端の紅斑

(回復期)指先からの膜様落屑

6. 急性期における非化膿性頸部リンパ節腫脹

 

参照(このサイトより引用):https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/kawasaki_disease/

川崎病

 

診断

a. 6つの主要症状のうち、経過中に5症状以上を呈する場合は、川崎病と診断する。

b. 4主要症状しか認められなくても、他の疾患が否定され、経過中に断層心エコー法で冠動脈病変(内径の Z スコア+2.5 以上、または実測値で 5 歳未満 3.0mm 以上、5 歳以上 4.0mm 以上)を呈する場合は、川崎病と診断する。

c. 3主要症状しか認められなくても、他の疾患が否定され、冠動脈病変を呈する場合は、不全型川崎病と診断する。

d. 主要症状が3または4症状で冠動脈病変を呈さないが、他の疾患が否定され、参考条項から川崎病がもっとも考えられる場合は、不全型川崎病と診断する。

e. 2主要症状以下の場合には、特に十分な鑑別診断を行ったうえで、不全型川崎病の可能性を検討する。

参考条項

以下の症候および所見は、本症の臨床上、留意すべきものである。

1. 主要症状が4つ以下でも、以下の所見があるときは川崎病が疑われる。

1) 病初期のトランスアミナーゼ値の上昇

2) 乳児の尿中白血球増加

3) 回復期の血小板増多

4) BNP または NT pro BNP の上昇

5) 心臓超音波検査での僧帽弁閉鎖不全・心膜液貯留

6) 胆嚢腫大

7) 低アルブミン血症・低ナトリウム血症

2. 以下の所見がある時は危急度が高い。

1) 心筋炎

2) 血圧低下(ショック)

3) 麻痺性イレウス

4) 意識障害

3. 下記の要因は免疫グロブリン抵抗性に強く関連するとされ、不応例予測スコアを参考にすることが望ましい。

1) 核の左方移動を伴う白血球増多

2) 血小板数低値

3) 低アルブミン血症

4) 低ナトリウム血症

5) 高ビリルビン血症 (黄疸)

6) CRP 高値

7) 乳児

4. その他、特異的ではないが川崎病で見られることがある所見 (川崎病を否定しない所見)

1) 不機嫌

2) 心血管: 心音の異常、心電図変化、腋窩などの末梢動脈瘤

3) 消化器: 腹痛、嘔吐、下痢

4) 血液:赤沈値の促進、軽度の貧血

5) 皮膚:小膿疱、爪の横溝

6) 呼吸器:咳嗽、鼻汁、咽後水腫、肺野の異常陰影

7) 関節:疼痛、腫脹

8) 神経:髄液の単核球増多、けいれん、顔面神経麻痺、四肢麻痺

 

急性期治療

免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)、高用量アスピリン

免疫グロブリン超大量(IVIG)単回投与は, 現時点で最も信頼できる抗炎症療法であり、約80%の症例で解熱が得られます。一方、10~20%の割合でIVIG不応例が存在します。このIVIG不応例では、IVIG反応例と比べて、約7倍もの高率で冠動脈障害を合併します。

 

 

備考

1. 急性期の致命率は 0.1%未満である。

2. 再発例は 3〜4%に、同胞例は 1〜2%にみられる。

3. 非化膿性頸部リンパ節腫脹(超音波検査で多房性を呈することが多い)の頻度は、年少児では約65%と他の主要症状に比べて低いが、3歳以上では約 90%に見られ、初発症状になることも多い。

 

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