該当労働者の業務内容や作業内容に関する情報収集
・下記のガイドライン、マニュアルの「勤務情報を主治医に提供する際の様式例」用いて、管理監督者から情報提供を受ける
① 厚生労働省「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000912019.pdf
このガイドラインは、事業場が、がん、脳卒中などの疾病を抱える方々に対して、適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、治療と仕事が両立できるようにするため、事業場における取組などをまとめたものである。
② 厚生労働省「企業・医療機関連携マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000780069.pdf
「就業上の措置・支援に関する意見書」書式
記載内容
・業務概要
・健康状況概要
・産業医との面談概要(所属長との協議内容も含む)
・就業措置・支援内容
就業可の場合:就業措置・支援期間、就業措置・支援の具体的事項
就業不可の場合:就業不可期間
・その他の留意事項
厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」
職場復帰支援の流れ
・本手引きによる職場復帰支援の流れは、病気休業開始から職場復帰後のフォローアップまでの次の5つのステップからなっている。
・事業者は本手引きを参考にしながら、個々の事業場の実態に即した職場復帰支援プログラムを策
定することが重要である。
第1ステップ:病気休業開始及び休業中のケア
・病気休業開始及び休業中のケアの段階であり、「労働者からの診断書(病気休業診断書)の提出」、「管理監督者によるケア及び事業場内産業保健スタッフ等によるケア」、「病気休業期間中の労働者の安心感の醸成のための対応」及び「その他」で構成される。
第2ステップ:主治医による職場復帰可能の判断
・主治医による職場復帰可能の判断の段階であり、「労働者からの職場復帰の意思表示と職場復帰可能の判断が記された診断書の提出」、「産業医等による精査」及び「主治医への情報提供」で構成される。
第3ステップ:職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成
・職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成の段階であり、「情報の収集と評価」、「職場復帰の可否についての判断」及び「職場復帰支援プランの作成」で構成される。
第4ステップ:最終的な職場復帰の決定
・最終的な職場復帰の決定の段階であり、「労働者の状態の最終確認」、「就業上の配慮等に関する意見書の作成」、「事業者による最終的な職場復帰の決定」及び「その他」で構成される。
第5ステップ:職場復帰後のフォローアップ
職場復帰後のフォローアップの段階であり、「疾患の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認」、「勤務状況及び業務遂行能力の評価」、「職場復帰支援プランの実施状況の確認」、「治療状況の確認」、「職場復帰支援プランの評価と見直し」、「職場環境等の改善等」及び「管理監督者、同僚等への配慮等」で構成される。
復職者の所属する部・課が心がけるべきこと
・心の健康問題の偏見等に留意する。
・主治医の意見を参考に、復帰後の労働負荷を段階的に元へ戻す。
・管理監督者は、本人の相談にのり、健康回復を優先し、問題発生時の早めの相談をうながし、事業場内産業保健スタッフ等と連携する。
組織としてあらかじめ準備すべき支援体制
職場復帰支援プランを作成し、衛生委員会で審議する。
管理監督者や労働者の職場復帰支援への理解を高める。
専門的な助言等のため事業場外資源を活用する。
試し出勤制度等
手引き6(3):試し出勤制度等
・社内制度として、正式な職場復帰の決定の前に、以下の①から③までの例に示すような試し出勤制度等を設けている場合、より早い段階で職場復帰の試みを開始することができ、早期の復帰に結びつけることが期待できる。
・また、長期に休業している労働者にとっては、就業に関する不安の緩和に寄与するとともに、労働者自身が実際の職場において自分自身及び職場の状況を確認しながら復帰の準備を行うことができるため、より高い職場復帰率をもたらすことが期待される。
① 模擬出勤:職場復帰前に、通常の勤務時間と同様な時間帯において、短時間又は通常の勤務時間で、デイケア等で模擬的な軽作業やグループミーティング等を行ったり、図書館などで時間を過ごす。
② 通勤訓練:職場復帰前に、労働者の自宅から職場の近くまで通常の出勤経路で移動を行い、そのまま又は職場付近で一定時間を過ごした後に帰宅する。
③ 試し出勤:職場復帰前に、職場復帰の判断等を目的として、本来の職場などに試験的に一定期間継続して出勤する。
ただし、この制度の導入に当たっては、この間の処遇や災害が発生した場合の対応、人事労務管理上の位置づけ等について、あらかじめ労使間で十分に検討しておくとともに、一定のルールを定めておく必要がある。なお、作業について使用者が指示を与えたり、作業内容が業務(職務)に当たる場合などには、労働基準法等が適用される場合がある(災害が発生した場合は労災保険給付が
支給される場合がある)ことや賃金等について合理的な処遇を行うべきことに留意する必要がある。
また、この制度の運用に当たっては、産業医等も含めてその必要性を検討するとともに、主治医からも試し出勤等を行うことが本人の療養を進める上での支障とならないとの判断を受けることが必要である。
さらに、これらの制度が事業場の側の都合でなく労働者の職場復帰をスムーズに行うことを目的として運用されるよう留意すべきである。
特に、③の試し出勤については、具体的な職場復帰決定の手続きの前に、その判断等を目的として行うものであることを踏まえ、その目的を達成するために必要な時間帯・態様、時期・期間等に限るべきであり、いたずらに長期にわたることは避けること。
産業保健総合支援センター
・困った時の相談窓口
療養・就労両立支援指導料
・主治医が患者と企業の産業医から得た勤務情報を踏まえ、治療計画の見直しや再検討などを行った場合に算定
・2020年度改定では、がん以外に、脳血管疾患や肝疾患、難病を対象に追加。
・主治医の連携相手は、企業側の産業医だけでなく、従業員の健康を管理する保健師や企業の担当責任者にも拡大された
・主治医が患者の情報を企業側に提供し、患者に療養上必要な指導を実施すれば報酬を算定できる
・点数は「月1回に限り(3月を限度)、初回800点、2回目以降400点」に変更された。
心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き
復帰の可否判断のポイント
・復帰に対して十分な意欲を示している
・通勤時間帯に一人で安全に通勤ができること
・会社が設定している勤務日に勤務時間の就労が継続して可能であること
・業務に必要な作業(読書、PC作業、軽度の運動など)をこなすことができること
・翌日までに作業等による疲労が十分に回復していること
・適切な睡眠覚醒リズムが整っていること
・昼間の眠気がないこと
・業務遂行に必要な注意力、集中力が回復していること
・休業に至った原因の振り返りができており、今後の対策を検討できていること
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