心血管疾患の危険因子:
・持続性蛋白尿
持続性蛋白尿は心血管疾患(CVD)の重要な危険因子です。慢性腎臓病(CKD)の一指標である蛋白尿や微量アルブミン尿は、糖尿病患者、高血圧患者、一般住民においても心血管イベントのリスク上昇に関連しており、その程度が増すほど心血管疾患リスクが高まります。蛋白尿は、冠動脈疾患、心筋梗塞、脳卒中、心不全の発症や心血管疾患による死亡リスクを増加させるだけでなく、総死亡リスクも高めます。さらに、蛋白尿の減少は心血管イベントの抑制に寄与することも報告されています。このため、蛋白尿の有無や量の評価は心血管疾患リスク管理において重要視されています.
・糸球体濾過量(eGFR)の低下
糸球体濾過量(eGFR)の低下は心血管疾患の独立した危険因子であることが、多くの研究で示されています。具体的には、eGFRが60 mL/分/1.73㎡未満になると慢性腎臓病(CKD)と診断され、心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患の発症リスクが有意に高まります。特にeGFRの低下は心血管疾患による死亡リスクとも相関しており、蛋白尿の存在と合わせて評価すると、さらにリスクが高くなることがわかっています。したがって、糸球体濾過量の低下は心血管疾患の重要な予測因子とされており、心血管リスク評価には腎機能の評価が不可欠です.
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