疾患
・約500人に1人の割合で認めるcommon diseaseである
・心筋構成蛋白であるサルコメアなどの遺伝子変異によって発症する
・約60%に家族歴がある
・突然死や心不全、若年発症の心房細動など心血管イベントを生じる。
・心エコーで著明な左室壁肥厚(≧30㎜)、ホルター心電図で非持続性心室頻拍、運動時の血圧異常反応があれば、突然死のリスクが高いといわれる
確認すべき病歴、リスク評価
・失神の既往
・突然死の家族歴
・収縮期心雑音(左室流出路閉塞による)
心エコー所見
・左室壁≧15㎜(家族歴がある場合は13㎜以上)があれば、HCMを考慮する必要がある
・心室中隔と後壁が非対称性肥大(asymmetrical septal hypertrophy:ASH)を示すことも特徴
・左室流出路が閉塞すると閉塞性肥大型心筋症(hypertrophic obstructive cardiomyopathy:HOCM)と呼ばれ、左室内圧が著明に上昇する
・僧帽弁前尖の収縮期前方運動に高度僧帽弁逆流症をおこすことが多く、心不全、胸痛、失神など多彩な症状をきたす
心電図所見
・ST低下を伴う、対称性の巨大陰性T波
病的心肥大による心内膜下の相対的心筋虚血(それに伴う拡張障害)や、再分極家庭の遅延に由来する
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