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熱性けいれん

特徴(定義)

・主に生後6〜60ヶ月までの乳幼児期に起こる。

・通常は38℃以上の発熱に伴う発作性疾患(けいれん性、非けいれん性を含む)

・髄膜炎などの中枢性神経感染症、代謝異常、その他の明らかな発作の原因がみられないもので、てんかんの既往のあるものは除外される(あくまでも除外診断!)

 

※ 日本人では7~10%(10~20人に一人)

※ 中枢神経感染症を疑う所見:髄膜刺激症状、大泉門膨隆、意識障害30分以上

 

 

単純型と複雑型

・熱性けいれんのうち、以下の3項目の一つ以上をもつものを複雑型熱性けいれんと定義し、これらのいずれにも該当しないものを単純型熱性けいれんとする。

判断項目

1) 焦点性発作(部分発作)の要素
(体の一部分に優位にみられる焦点性運動発作や、半身けいれんや眼球偏位など、左右差のある発作を指す)
2) 15分以上持続する発作

3) 一発熱機会の、通常は24時間以内に複数回反復する発作

※ 単純型は熱性けいれんのおよそ8割、複雑型は2割程度あり

 

再発頻度と再発予測因子

1. 熱性けいれんの再発予測因子

 1) 両親のいずれかの熱性けいれんの家族歴
 2) 1歳未満の発症
 3) 短時間の発熱・発作間隔(概ね1時間以内)
 4) 発作時体温が39℃以下

2.再発率

・再発予測因子を持たない熱性けいれんの再発率は約15%

・いずれかの再発因子を有する場合、再発の確率は約50%

・全体では約30%

 

治療

・来院時、痙攣が持続していればまず止める(→小児の痙攣治療)

・自然に頓挫すれば、原則として治療は必要ない。

・単純型熱性けいれんについて、発熱時投与は通常必要ないとの考えが基本。

 

ジアゼパム座薬(ダイアップ座薬®)の使用適応

1.「遷延性発作(15分以上)の既往がある場合」

または

2.「以下の6項目のうち、2つ以上を満たした熱性けいれんが、2回以上反復した場合」
①焦点性発作または24時間以内に反復
②熱性けいれん出現前から存在する神経学的異常・発達遅滞
③熱性けいれんまたはてんかんの家族歴
④生後12ヶ月未満
⑤発熱後1時間未満での発作
⑥38℃未満での発作

 

Rp)ジアゼパム座薬(ダイアップ4㎎、6㎎)または経口薬0.5㎎/㎏

発熱37.5℃以上の時投与
初回投与から8時間経過しても発熱が持続する場合は同量を追加投与。

 

【解熱剤について】

・発熱時の解熱剤使用が熱性けいれんの再発を予防できる証拠はないため、予防のための使用は推奨されていない。

・解熱剤使用後の熱再上昇による熱性けいれんの再発の証拠はない。

ダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤の使用順序

・この2つを併用する場合には、使用順序、投与間隔に気をつける必要あり

・まず「ダイアップ坐剤」を入れ、30分以上あけて「アンヒバ坐剤」を投与すること。

・同時に使うとダイアップの吸収が遅れてしまったり、逆にアンヒバ坐薬を先に使うとダイアップの効果が現れなくなる恐れがある。

理由:

ダイアップ坐剤の成分であるジアゼパムは油溶解性。一方、アンヒバ坐剤の基剤には油脂性基剤が使われている。

そのため、アンヒバ坐剤を同時、または先に使うと、その基剤にジアゼパムが溶け込んでしまうため、ジアゼパムの吸収が妨げられ、効果が現れるまでに2~4倍の時間がかかってしまったり、場合によっては効果が現れなかったりする恐れがある。

 

・なお効果発現までの時間は、ダイアップ坐剤、アンヒバ坐剤ともに約30分。

 

家族への説明内容(再発時の対応)

・平らで安全な場所に静かに寝かせ、衣服を緩めて、顔を横に向ける

・決して口の中に物を入れない

・痙攣が起きた時間を確認する

・痙攣中の四肢の動き、上下肢の差、左右差、眼の動き、顔色、唇の色、呼びかけへの反応を観察する

・痙攣後、呼びかけに反応するか、発語があるか

・救急車を呼ぶタイミンは「痙攣が5分以上続く時」「短い間隔で繰り返し痙攣が起こる時」「見た目の痙攣は止まったが、意識が清明でない時」

 

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小児科レジデントマニュアル 第4版

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