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腰椎穿刺

下記の場合は、術前に頭部CTを確認すること

・意識障害がある場合

・けいれん

・神経学的巣症状

・乳頭浮腫

・脳内腫瘤の既往

・脳出血の既往

・免疫抑制状態

 

 

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穿刺法

参考:日経メディカルーEM Allianceの「知っ得、納得! ER Tips」

 

・左側臥位

・左右の肩と腸骨がそれぞれベッドに垂直になっていることを確認する

・左手(針を刺すのと反対の手)の示指~小指で上側の腸骨稜をしっかり触診します。両腸骨稜を結ぶ軸上(jacoby line)が大体L4棘突起の高さです。

・背部の正中を左手母指でぐりぐりと触診すると棘突起を触れるので、その間の凹みのL4/5間とL3/4間を同定する。同定は左手で行うのがポイントです。消毒後に穿刺を始める際にも同じ左手で位置確認を行うからです。

・穿刺部位としては、一番広い凹みをお勧めします。一般的に、椎体間はL4/5よりもL3/4の方が広いです。失敗した時のために次の候補にも当たりをつけておきます。L1/2以上は脊髄損傷の可能性があるので避けましょう。

・慣れないうちは針のお尻側を押し当てて少しねじり、マーキングをするのもよいでしょう。ただ、穿刺部位は視覚ではなく左手の触診だけで決められるようになるのがベテランへの道です。

・消毒してドレープで覆った後、穿刺部位をマーキングから視覚的に確認するよりも、左手で体全体の傾きの有無や腸骨稜、棘突起間を触覚的に感じられるようになれば、失敗は減っていきます。

・意識のある患者さんには、一つひとつの行為ごとに声を掛け、説明しましょう。見えない背中で何をされているのか、患者さんはとても不安なはずです。また、先ほどのポジションを維持し続けるのは患者さんも苦しいので、穿刺部位を同定したら少し緩めましょう。

・消毒・ドレープまで終わったら、改めてしっかり顎を引いてポジショニングし直してもらいます。

・腰椎穿刺に使用するルンバール針は長くて柔らかいため、針を進める際には両手で支える必要があります。針先から針のお尻までが常に直線になっていることを確認しましょう。

・左手の手背を背中に当て、母指と示指で、正しい方向へ進むように針の直線化をそっと補助します。正面上から見下ろしていると針が地面に水平に進んでいるか分かりづらいので、時々両手を離して横から針の角度を見てみるのもお勧めです。

・針先が骨に当たって進まなかったら、針先を皮下(表皮直下)までしっかり抜きましょう。棘突起間のちょうど真ん中を刺していたか、もう一度確認します。

・ちょうど真ん中を刺したのに骨に当たってしまった場合は、尾側の棘突起に当たっている可能性があります。刺し口を頭側へ少し移動して垂直に刺し直すか、15度ほど頭側へ傾けて刺すといいでしょう

・ほとんどの場合、棘突起間の真ん中から針を進めることができれば成功します。靭帯が石灰化している高齢者でも、左手と一緒にじわじわと押せば大抵進めることができます

・硬膜までのおおよその深さは、一般的な日本の成人なら6cm前後

・柔らかい硬膜をぷつっと破る感触があればラッキーですが、感触がないことも多いので3~4cmほど針を進めたらこまめに内筒を抜き、髄液の流出がないかを確認しましょう。

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高度な変形や石灰化があるなど、正中アプローチが難しいとき

Paramedian Approach(傍正中アプローチ)

・L4棘突起から1cm外側、1cm尾側から穿刺し、頭側へ10~15度、内側へ10~15度角度をつけて、椎間孔を狙って針を進めます。

・Median approach(通常の正中からのアプローチ)では、棘上靭帯→棘間靭帯→黄色靭帯→硬膜→くも膜へ到達しますが、このParamedian approachでは脊柱起立筋→黄色靭帯→硬膜→くも膜へと到達します。

・この方法では筋肉、黄色靭帯を貫いて髄液に到達し、棘上靭帯、棘間靭帯を貫かないため、これらの靭帯の石灰化がある高齢者では疼痛を軽減する効果を期待できます

・高齢者の予定手術の腰椎麻酔で初回成功率がMedianグループでは4~6割でしたが、Paramedian グループでは8~9割だったという報告もあります

・また正中からのアプローチほど背中を丸めることが重要ではないため、病的肥満や妊娠などで背中を丸めることが難しいときに助けになることもある。

 

肥満などで患者の棘突起を触知できないとき

・棘突起を「手」で触知できないならエコーで確認する。

・エコーは棘突起の場所を確認できるだけでなく、触診では分からない棘突起間の広さや靭帯までの深さなども確認することができます。

・プローブはより広い範囲が見えるようにコンベックスタイプを使用 。

・ランドマークが全く分からないような患者さんでは、まず仙骨から描出し、頭側へプローブをスライドさせるとよいでしょう。

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棘突起を描出したまま長軸方向にプローブを向けると、最も広い棘突起間を探すことができます。
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穿刺後の患者管理

・検査後1~2時間は臥位で安静にしてもらう

 

参考文献:

 

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