スポンサーリンク

下肢静脈瘤(下肢静脈解剖)

スポンサーリンク

疾患

・下肢の血流のうっ滞により表在静脈が拡張、蛇行する疾患
・触知可能な径3mm以上の拡張を静脈瘤と定義する(CEAP分類)

分類

1次性
・静脈自体に原因のある場合
・最多
2次性
・深部静脈血栓症
・妊娠
・骨盤内腫瘍
・動静脈瘻
・血管性腫瘍
・血管形成不全(先天性)

誘因

・性差(女性>男性)
・加齢
・家族歴
・立位の多い生活習慣
・肥満
・喫煙
・妊娠
・下肢外傷
スポンサーリンク

症状

・無症状から下肢痛、だるさ、下肢浮腫、皮膚色調変化、血管拡張など様々
・皮膚表面にある場合は出血することもある
・進行すると、皮下脂肪の炎症により皮膚が硬化する「脂肪皮膚硬化症」や皮膚潰瘍を発症する
スポンサーリンク

下肢静脈の解剖

参照(このサイトより引用):http://itotak.m78.com/ulcer_varix01.html
【大伏在静脈】
下肢表在静脈の1つである。内果の前方から始ま り、下腿内側を上行して膝内側から大腿内側を走行して、鼠径部で大腿静脈に流入する。この間にその分枝の表在静脈も流入するが、交通枝(穿通枝)を介して 深部静脈系にも還流している。多くの場合、本幹は1本であるが、2~3本に分かれて併走している場合もある。

 

【小伏在静脈】
下腿後面を走行する通常は1本の表在静脈である。 外果後方から始まり下腿後面のほぼ中央を膝窩部に向かい、膝窩静脈に流入する。頭側の1/3~1/2は筋膜下にある。深部静脈との交通枝や大伏在静脈との 間にも繋がる表在静脈がある。小伏在静脈の走行は個人差が多く、膝窩静脈に流入するものは約6~7割で、膝窩静脈に接合しない例、接合しているがそのまま 大腿後面を上行し鼠径部で大伏在静脈に合流する場合もある。
【下肢深部静脈】
下肢深部で動脈と併走している静脈系で、下腿の動脈と同名の各静脈が膝下で合流して膝窩静脈となり、浅大腿静脈となり鼠径部で大伏在静脈と接合し、外腸骨静脈へとつながる。正常では、下肢の静脈血の約 8~9割を還流している。

 

【交通枝】
穿通枝ともいう。表在静脈系と深部静脈系を繋いで いる径3mm 以下の静脈で、静脈弁があり正常では表在から深部への一方通行である。

 

【不全交通枝】不全穿通枝ともいう。下肢静脈瘤などで静脈うっ滞 が生じ、弁不全により深部静脈系から表在静脈系に逆流する様になった交通枝を不全交通枝という。

 

診察所見

1)Trendelenberg(トレンデレンブルグ)試験

・下肢を挙上して静脈を空虚にした後、大腿上部(大伏在静脈流入部位)を圧迫(駆血帯で縛る)しながら起立させ、起立後に静脈瘤がど怒張するかを調べる

・起立後に静脈瘤出現していれば、「穿通枝に弁不全あり」と診断

・圧迫を解除して初めて静脈瘤出現する場合は「大伏在静脈に弁不全あり」と診断

 

2)Perthes(ペルテス)試験

・深部静脈の開存の有無の検査

・立位にて大腿中央部を駆血帯で縛り、その状態で足踏み運動か爪先立ち運動をさせる

・正常では、表在静脈から深部静脈方向へ弁が存在している。また筋肉の収縮がポンプの役割を果たし、弁の機能と合わせて血液を重力に逆らって上方に送り出される。

・筋ポンプ作用により静脈瘤が増悪した場合は「深部静脈の閉塞を示唆する」

 

 

参照(このサイトより引用):http://kumicho.asia/trendelenburgtest-perhtestest-2328.html

 

治療

・減量、下肢挙上、弾性ストッキング

・硬化療法(再発率高い)

・皮膚潰瘍がある場合は手術や血管内治療を考慮する

 

 

外来診療ドリル-診断&マネジメント力を鍛える200問

コメント