※ 嘔気嘔吐に合併する随伴症状から系統的に鑑別を行うとよい。
+頭痛( ± 意識障害)
・クモ膜下出血(嘔吐が主訴の場合もある)
・脳血管障害(嘔吐の頻度は、くも膜下>脳出血>脳梗塞)
嘔吐があると死亡率が高い
・髄膜炎(頭痛>嘔吐>発熱)、項部硬直
・片頭痛(嘔気・嘔吐の有無が緊張型と鑑別に有用)
+眩暈、眼振
・前庭神経障害
+胸痛
・ACS(呼吸困難、発汗、嘔気嘔吐、失神)
+腹痛
・腸閉塞(嘔吐して腹痛軽減の病歴)
・虫垂炎(→MANTRELS scoreで診断)
参照:虫垂炎の診察
・腹部疾患(胆道系疾患、大動脈解離、泌尿生殖器系疾患、産婦人科疾患、等)
→激しい腹痛を伴う
・腹痛なし
→急性肝炎(肝叩打痛、倦怠感、黄疸)、腎盂腎炎±菌血症(腎叩打痛)
病歴で臓器が絞れない場合
化学物質
・薬剤(NSAID、テオフィリン、ジギタリス、鉄剤、モルヒネ、抗癌剤)
・一酸化炭素中毒
・アルコール
代謝性疾患
・高Ca血症(傾眠、口渇、多飲多尿)
・DKA(多飲、多尿、口渇、意識障害、頻呼吸(劇症1型))
・副腎不全(低血圧(補液やカテコラミンに反応しない)、倦怠感)
妊娠:つわり、妊娠悪阻
・妊娠初期に認められる朝に強い嘔気、嘔吐
・基本的に腹痛は合併しない(腹痛がある場合は腹腔内疾患の積極的検索が不可欠)
・妊娠5週から始まり、10週でピークに達し、15~20週までで改善するのが目安。
・メトクロプラミド(プリンペラン®)は妊婦にも使用可能
(↔ドンペリドン(ナウゼリン®)は動物実験で催奇形性が指摘されており、添付文書上、妊婦には禁忌)
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