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心臓聴診、心音、心雑音

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おすすめ聴診器

リットマン ステソスコープ カーディオロジーIV

 医師向け聴診器の新定番です。成人用と小児用のダイアフラムを両面に搭載しており、成人から小児までこれ一器で診察が可能です。

チューブは音の損失を軽減する高感度のツーインワンチューブを搭載しています。

ダイアフラムとリムの段差が少ない「一体成型」ダイアフラムを採用し、お手入れが簡単になります。
小児用面は付属のノンチルスリーブに交換すればベル部として使用できます。

3M(TM) リットマン(TM) ソフトシーリングイアーチップを備えています。快適なフィット感だけではなく、優れた遮音性も提供します。


 

 

 

ケンツメディコ社製 マルチスコープ(ラパポート聴診器) No.141

名器・ラパポート・スプラーグの完全復刻版「KENZMEDICO MULTISCOPE 141」

以前は、ヒューレット・パッカード社(hp)のブランドでしたが、企業部門の売却により、PHILIPS社が製造/販売をしてまいりました。しかし、残念なことに これも 2005年9月末で販売終了となりました。

その後、たいへん多くの先生方から、ラパポート・スプラーグ聴診器購入のご希望が寄せられておりました。ケンツメディコとパネシアンの共同事業の末、ついに「名器の復活」ともいえる聴診器が発売となりました。

高級感あふれる品質はそのままに、交換部品の互換性も完璧な KENZMEDICO マルチスコープ141 は、自信を持っておすすめできる待望の聴診器です。


 

 

 

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聴診部位

2RSB:大動脈弁領域

2LSB:肺動脈弁領域

3LSB(Erb領域):副大動脈領域とも言い、特に大動脈閉鎖不全の拡張期雑音のチェックポイント

4LSB:三尖弁領域

心尖部:僧帽弁領域

参照(このサイトより引用:https://www.igakushoin.co.jp/paper/archive/old/old_article/n2000dir/n2392dir/n2392_11.htm

 

 

 

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心音

・Ⅰ音は僧帽弁と三尖弁(房室弁)が閉じる時に発生

・Ⅱ音は大動脈弁と肺動脈弁(動脈弁)が閉じる時に発生

・Ⅰ音とⅡ音の間が収縮期、長い無音(拡張期)の直前にあるのがⅡ音

(拡張期の方が収縮期より長いため)

・Ⅱ音は大動脈弁成分(ⅡA)と肺動脈弁成分(ⅡP)よりなる。

 

心音の亢進、減弱

・心基部では大動脈弁、肺動脈弁成分、つまりⅡ音が大きく聞こえる。

・心尖部ではⅠ音が大きく聞こえる

・これが反対に、「心尖部でⅡ音が強く聞こえる場合」や、「心基部でⅠ音が強く聴取される場合」を亢進とする

Ⅱ音亢進

・肺高血圧症

 

Ⅱ音の分裂

・聴取部位:2Lが最も適している

・吸気時と呼気時ではII音が分裂したり、しなかったりする。心基部(主に肺動脈弁部位)に聴診器をピッタリとあてて聴くのが良い。

・Ⅱ音は大動脈弁成分(ⅡA)と肺動脈弁成分(ⅡP)なり,II Aが先行する

・ⅡA-ⅡPの分裂幅は呼吸性に変動する。

正常呼吸性分裂(生理的分裂)

吸気時に右心系への静脈還流量増加によりⅡPが遅れ、 II A-II P間が吸気により分裂幅が広くなることをいう

・吸気時のみに聴取する分裂は生理的な分裂の可能性が高い

・座位の呼気時にも分裂していれば、病的な可能性がある

 

Ⅱ音の固定性分裂

「呼吸でも吸気でもⅡ音の分裂間隔が変わらない、つまり間隔が固定されている」状態

・特に「心房中隔欠損」ではII音が固定性に分裂する。これは吸気時と呼気時に心房中隔から欠損孔を通る血流量が変わり、右心房から右心室への流入量がほぼ一定になるからと考えられている。

 

 

 

過剰心音(Ⅲ音、Ⅳ音)

左側臥位、ベル型聴診器で聴診する

Ⅲ音

・心房に溜まっていた血液が一気に心室に流れ込んで(急速流入)、心室の壁にぶつかることによって起こる拡張早期の低調な音

・「one two huh(ハ) , one two huh(ハ)・・・」と低調に聞こえる

(おっかさん、おっかさん・・・)

・容量負荷の所見(うっ血性心不全、拡張型心筋症など)

・40歳以下では生理的Ⅲ音が聞かれることがある

 

Ⅳ音

・Ⅰ音の直前に聞かれる過剰心音

・拡張期の終わりに心房が収縮し、血液が心室の壁にぶつかって生じる低音

心室の拡張障害(うっ血性心不全、肥大型心筋症など)

 

Levine分類

Ⅰ:非常に微弱で聴診器を当てた直後には聞き取れない

Ⅱ:弱いが,容易に認めることができる

Ⅲ:やや強勢,振戦なし

Ⅳ:やや強勢,振戦あり(スリルが触れる、「シリル」と覚える)

Ⅴ:強勢でchest pieceの端を胸壁に当てただけで聴こえる

Ⅵ:最強勢,chest pieceを胸壁から離しても聴こえる

 

 

弁膜症各論

AS

・遅脈(脈の立ち上がりが遅い)、小脈(拍動が小さい)
・心不全、失神、狭心症の原因
・大動脈弁の狭窄で発生する収縮期駆出性雑音を聴取
・第2肋間胸骨右縁(2RSB;大動脈弁領域)に最強点
→右鎖骨頭の上でよく聴取
・右頚部から心尖部にかけて幅広く放散

AR

身体所見

・脈圧の上昇(大脈圧:脈圧が収縮期血圧の1/2以上)

・Corrigan脈:動脈圧の立ち上がりが急で大きく,急速に小さくなる脈

・Dennison徴候:座位で頚部に動脈性の拍動(拍動を触知できる↔静脈性は触知できない)が見られる

[動画2]Dennison徴候

 

聴診所見
拡張早期の潅水様逆流性雑音
・大動脈弁の閉鎖不全により、拡張期に大動脈側の血液が左室に逆流して生じる拡張期逆流性雑音
・Ⅱ音と同時に開始
・拡張期では動脈と心室の圧較差が大きく、血液量も多くないため、高調性の音になる(灌水様雑音)(潅水:作物へ水を与えること)
・左室は血液が充満してくるにつれて、左室圧が上昇し逆流量が減る→雑音は漸減性
to and fro雑音(往復雑音)
・ARにおける「逆流性の拡張期雑音」と「相対的なASによる収縮期雑音」の連続
・連続雑音との違い :往復雑音はⅡ音の直前に一瞬息継ぎが入る
Austin Flint murmur
・重症ARで聴取
・前収縮期に心尖部で聴取する低調な雑音。
・ベル型で聴取。
・拡張中期ランブルと前収縮期(Ⅰ音の直前)の低調な心雑音の2成分から成る
(「息を吐きながら唇や舌を震わした時に生じるブルブルという音」)
・機序:「ARの逆流血が僧房弁前尖の開放を制限することによる機能的MS」「僧房弁からの左室流入血とARの逆流血流との合流により生じる乱流」などの説。
・「器質的MSが存在しないのにMS類似の雑音が聴取される」というのがポイント

 

 

 

MR

・全収縮期雑音(Ⅰ音、Ⅱ音とも不明瞭)
・心尖部から左腋窩、左肩甲骨下角に放散
・左室への容積負荷によりⅢ音が聴取されることがある

TR

・胸骨下部左縁で最強点となり、剣状突起下に放散する(J字領域)

・吸気時に右心系への還流が増加するため、収縮期雑音が増強する(Rivero-Carvallo徴候)
・TRにより内頚静脈波形のX谷が消失し、C波とV波が癒合しているように見える(CV merger)

心音の記載法

例)

「リズムは整、Ⅰ音は亢進・減弱なし、Ⅱ音は座位・仰臥位ともに吸気時に分裂あり、呼気時には分裂は聴取しない。過剰心音および心雑音は認めない」

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