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慢性心不全の治療方針(HFrEFとHFpEF)

HFrEF、HFpEF

・心不全は、左室駆出率(LVEF)を指標として、

LVEFが保たれた(≧50%)HFpEF:拡張障害
LVEFが低下した(<50%)HFrEF:収縮障害

に分類される。
(LVEF40~50%をHFmrEF(midrange:境界型)と分類することもある)

 

病態

・HFpEFの原因としては、拡張能障害(高血圧等の後負荷増大による心筋線維化、求心性肥大)や血管機能障害(高血圧を来す)、心房細動、糖尿病、CKDが考えられている。

・予後はHFpEFの方が良好

・治療はHFrEFではβ遮断薬やACE阻害薬の有用性が確立しているが、HFpEFでは確立していない。

 

それぞれの治療方針

① HFrEF (左室収縮能低下 )

※ 最適な組み合わせは「ACE-I+βブロッカー(+MRA)」

 

① ACE阻害薬(空咳などで投与できない場合はARBでも可)

・腎機能障害(Ccr<30、K>5mEq/L)があったとしても絶対的な禁忌ではなく、慎重なモニタリング下で少量から投与を検討する。

・エナラプリル(レニベース®) 1回2.5~10㎎ 1日1回

・カンデサルタン(ブロプレス®) 1回4~12㎎ 1日1回

 

② ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)

・LVEF35%未満では禁忌がない限り全例投与が推奨

・スピロノラクトン12.5~25㎎で開始、最大1日100㎎まで増量可

 

③ βブロッカ―(ベータブロッカー)

・症状の有無を問わず投与検討

・ごく少量より開始、時間を掛けて、心不全の増悪、過度な低血圧、徐脈に注意しつつ1~2週間ごとに増量。

・カルベジロール(アーチスト®)1.25㎎、2.5㎎、10㎎、20㎎錠

1.25~2.5㎎から開始。1日2回に分けて内服

入院中は3~5日、外来では14日ごとに増量

1回 1.25㎎ 1日2回→1回 2.5㎎1日2回→1回 5㎎ 1日2回→1回10㎎ 1日2回

目標20㎎/日

・ビソプロロールフマル酸(メインテート®)0.625mg・2.5mg・5mg錠

0.625㎎より開始、1日1回

入院中は3~5日、外来では14日ごとに増量

1回 0.625㎎ 1日1回→1回 1.25㎎ 1日1回→1回 2.5㎎ 1日1回→1回5㎎ 1日1回

目標5mg/日

 

※ COPD合併例では、β1選択性のあるビソプロロール(メインテート®)を使用する

※ 徐脈効果はビソプロロールの方が強いため、徐脈傾向のある場合はカルベジロール(アーチスト®)を用いる

※下降期心不全であっても可能な限り継続する。徐脈(<50/分)、低血圧(SBP<90㎜Hg)、高カリウム血症などが問題になった場合は減量や中止を考慮する。

※利尿剤は、急性期では症状軽減作用あり。しかし慢性では予後改善のエビデンスなし

 

 

 

② HFpEF (左室収縮能保持)

・有効な薬剤なし
・利尿薬で症状をコントロール

・原疾患に対する治療を基本とし、心不全症状を軽減させるための負荷軽減療法
(血圧管理、うっ血の解除、肥満、心房細動)

・心不全増悪時に結びつく併存症の治療

 

 

 

慢性心不全に対する対症療法

 

1)呼吸困難

・モルヒネ内服(心不全への保険適応はなく、「激しい咳嗽」「疼痛」に対する適応)
1日4回程度、2.5~5.0㎎/回から開始。
レスキュ―は1日量の1/6(2~3mg/回)
※呼吸数≧10回を確保するように用量調整を行う

・モルヒネ持続皮下注
モルヒネ10㎎(1mL)+生食11mLを0.5mL/時で点滴(10㎎/日)
腎機能低下時には1/2または1/4に減量

・ベンゾジアゼピン系
不安による呼吸困難や、それに誘発されるパニック発作に対して

 

2.浮腫

アゾセミド(ダイアート®)

・長時間作用型

・フロセミドと比較し心不全再入院率が低い可能性あり

・1回60㎎ 1日1回

 

トラセミド(ルプラック®)

・1回4~8㎎ 1日1回

 

トルバプタン(サムスカ®)

難治性、ループ利尿剤で効果がない、Cr上昇のためループ利尿薬を増量しにくい時

高ナトリウム血症のリスク(入院管理下で内服開始)

能動的に水分摂取できない場合は処方を控えた方がよい

 

 

 

 

 

 

 

 

循環器
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