レベル評価
1)Japan Coma Scale(JCS)
・日本で主に使用される意識障害の深度(意識レベル)分類。
※「JCS 100」のように表現するのが正式。「Ⅲ-300」とするのは開発者らの論文からも間違いである。
Ⅰ.覚醒している(1桁の点数で表現)
Ⅱ.刺激に応じて一時的に覚醒する(2桁の点数で表現)
Ⅲ.刺激しても覚醒しない(3桁の点数で表現)
※ この他、R(不穏:restlessness)・I(糞便失禁:incontinence)・A(自発性喪失:akinetic mutism)などの付加情報をつけて、JCS 200-Iなどと表す。
2)Glasgow Coma Scale(GCS)
E:開眼機能(Eye Opening)
V:言語機能(Verbal Response)
M:運動機能(Motor Response)「M」
1点:運動みられず
アジミ体操(参照:https://matsushita-er.blogspot.com/2020/01/blog-post_31.html)
3)Mayo clinic分類
傾眠:外からの刺激がないと閉眼して眠り込んでしまうが、呼びかけなどの軽い刺激で容易に覚醒する。
昏迷:自動運動はあり、痛覚刺激でかろうじて開眼する、あるいは手で払いのけるなどの反応を示すが、十分には覚醒させることのできない状態。
半昏睡:自動運動はほとんどないが、覚醒刺激に反応し、逃避反応(手足を引っ込めて刺激を避けようとする)を示したり、顔をしかめたりする。
昏睡:自動運動はなく、痛覚刺激に対して除脳硬直の姿勢をとるなど反射的動きはあっても、手で払いのける動作は見られない。深昏睡になると強い痛覚刺激を与えても全く覚醒せず、四肢は弛緩している。
意識レベル低下時の初期対応、神経学的所見
① バイタルサインチェック
異常があればまず補正
↓
② 血糖測定;必ず!!!
「全ての脳卒中疑いは、低血糖を否定するまで低血糖を除外してはならない」
(脳卒中と思われた片麻痺のなかの4.2%が低血糖との報告)
↓
同時に「Do DONT」
D:dextrose(血糖)
→低血糖なら50%ブドウ糖40mL (=ブドウ糖20g) 静注(30分、60分後再検)
O:oxygen
→カヌラ2L開始
N:naroxon(麻薬中毒)
日本では少ない
T:thiamine(ビタミンB1)
→チアミン注(アリナミンF®、メタボリン®)20mL(フルスルチアミンとして100m) 緩徐静注
※ Wernicke脳症を疑う場合は100mL(500mg)静注し、その後1回100mL(500mg)1日3回投与
※ ビタミンB1はブドウ糖の代謝に必要。そのため低血糖の治療としてブドウ糖を補充するとビタミンB1が消費されることがある。すでにビタミンB1が欠乏していることがあるため、ブドウ糖の補充と併せてビタミンB1投与が必要か判断すること。
神経学的所見
・意識レベル評価:GCSまたはJCSで
・自発運動左右差
・深部腱反射、病的反射
・髄膜刺激症状
・羽ばたき振戦の有無
外表の所見
・頭部外傷の有無
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