ガイドライン「心房細動患者における抗凝固療法中の活動性出血への対応」に準拠した手順
参照:
日本循環器学会 / 日本不整脈心電学会合同ガイドライン
『心房細動患者における抗凝固療法中の活動性出血への対応』
・軽度の出血の場合は安易に休薬することなく,適切な抗血栓療法の継続を考慮する.
・中等度から重篤な出血ではクラス I として抗血栓薬の中止,止血処置,適切な点滴によ循環動態の安定化,および脳内出血やくも膜下出血時には十分な降圧を図る
・ワルファリン療法中の急性重篤出血時,または重大な出血が予想される緊急を要する手術・処置の施行時の出血傾向の抑制を目的に『プロトロンビン複合体製剤』や『ビタミンK』 の投与(推奨クラス I),『新鮮凍結血漿』(推奨クラス I),遺伝子組み換え第 VII 因子製剤(保険適用外,推奨クラスIIb)の投与が勧められる
.急速是正にもっとも速く確実な効果を示すのは『プロトロンビン複合体製剤とビタミン K の併用投与』である
・ビタミンK製剤は単独投与の場合、中和効果出現まで3時間以上を要し速効性がないことから、『中等度から軽度の出血で緩徐な中和を得たい場合』に限られる
・新鮮凍結血漿は、中和を得るまでの容量負荷が大きく投与に時間を要することから、緊急中和には推奨されていない
プロトロンビン複合体製剤
ケイセントラ®静注用(500IU/20ml、1000IU/ 40mL)
・プロトロンビン複合体製剤は INR 値と体重に応じて投与量を決める.
投与量
・INR が 2.0 以上 4.0 未満では 25 IU/Kg(最大投与量 2,500 IU)
・4.0 以上 6.0 未満では 35 IU/Kg(最大投与 3,500 IU)
・6.0 以上では 50 IU/Kg(最大投与量5,000 IU)を投与する.
・INR 2.0 未満での明確な投与指針は明らかにされていない.
非専門病院での対応
① PT-INR<1.35を目標
・ワルファリン内服中の出血性疾患で中和が必要な場合、
PT-INR<1.35を目標とする
② 手順
① ビタミンK(ケイツー®、ケイツーN®):10㎎/2mL/A
・10㎎点滴静注
② PT-INRを1時間後、6時間後、24時間後に測定
・1時間後PT-INR>1.5ならFFP2~4単位点滴
・6時間後PT-INR>1.5ならビタミンK10㎎ 点滴追加
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