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振動障害防止対策、振動障害予防対策指針

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振動障害とは

振動障害の予防のために

 

※ 厚生労働省職場のあんぜんサイト「振動障害」(安全衛生キーワード)

・振動障害は、チェーンソー、グラインダー、刈払機などの振動工具の使用により発生する手指等の末梢循環障害、末梢神経障害及び運動器(骨、関節系)障害の3つの障害の総称です。

・振動障害は、手や腕を通して伝播されるいわゆる局所振動による障害のことを指し、足や臀部から伝播される全身振動とは区別されています。

・具体的な症状は、手指や腕にしびれ、冷え、こわばりなどが間欠的、又は持続的に現れ、さらに、これらの影響が重なり生じてくるレイノー現象(蒼白発作)を特徴的症状としています。

・従来は、林業などチェーンソー取扱い者にレイノー現象などが多く見られていましたが、最近は製造業建設業などの振動工具取扱い者にも発生しています。

 

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振動工具の例

【第一章】振動工具に関する知識

1 削岩機、ピックハンマーなどピストン内蔵工具(ピストンによる打撃機構を有する工具)
2 チエンソー、刈払い機(ブッシュクリーナー)など内燃機関内蔵工具
3 タイタンパー、コンクリートバイブレータなど振動体内蔵工具
4 インパクトレンチ、エアドライバーなど締付工具
5 グラインダー、振動ドリル、携帯用皮はぎ機などの回転工具

 

 

振動工具の種類、具体的な工具及び用途

チェーンソー

チエンソー取扱い業務に係る健康管理の推進について

・チェーンソーの選択について「防振機構内蔵型で、かつ、振動及び騒音ができる限り少ないものを選ぶ」とされている。

 

 

バイブレーションシャー

・刃を振動させて材料のせん断を行う加工機

 

 

 

 

ジグソー

・電動ノコギリの一種で、ブレードという金属製のノコギリ刃を上下に動かして木材や金属、樹脂などの素材をカットする電動工具

 

インパクトレンチ

・締付工具

・ボルトやナットを、叩く力である「打撃力」を利用して取り付ける工具です。締め付ける場合と緩める場合の両方に使えます。

 

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振動障害

「局所振動」と「全身振動」

局所振動

・障害として、末梢神経障害(手指のしびれ感)、末梢循環障害(レイノー現象)がある

 

全身振動

・全身振動による障害は、車や船酔いなど一過性の自律神経機能失調状態や、腰痛や内臓機能障害などが指摘されている。

 

循環障害、神経障害及び運動器障害

循環障害

・(末梢)循環障害の症状は軽度では、寒冷期に手指がよく冷える、冷えた時に手指に痺れを感じるといった症状が出る。さらに重篤になるとレイノー現象が出現する。

・レイノー現象の初発部位は振動ばく露を最も強く受けたであり、症状が進行するにつれて出現する部位がより中枢側に広がり、さらには指本数も増える。

・一次健康診断としては、常温下での手指の皮膚温検査や爪圧迫テストがある。

・また、第二次健康診断では、安静時の検査に加え、手指を10℃の冷水に10分間、片手を漬けてから皮膚温測定や爪圧迫テストを行う。二次健康診断では医師が必要と認めた検査を行なうことになっているので、指尖容積脈波、サーモグラフィー、皮膚血流量の測定などが追加して行われることもある。

・動脈造影も必要に応じて行われている。

・このほか寒冷刺激による指動脈血圧(FSBP)の変化の測定、冷風負荷皮膚温測定、レーザードップラー血流測定などが行なわれている。

 

 

神経障害

・(末梢)神経障害は指のしびれや触覚、痛覚、温度覚の知覚の低下などの症状がみられる。これらは寒冷により増悪する。

・(末梢)循環障害の症状と一部重なるので、明確な区分は困難な例もある。

・一次健康診断としては、常温下での手指等の痛覚や振動覚テストがある。

・二次健康診断としては、手指を10℃の冷水に10分間、浸漬してから痛覚や振動覚テストの回復過程を調べる。

・他に温・冷覚、末梢神経伝導速度検査も行われる。

 

運動器障害

・運動機能の能力に低下をきたす症状である。加齢現象で起る変化と区別をすることが困難なことが多い。

・振動工具使用者だけに特徴的にみられる変化というものではない。現在では肘関節までの障害を振動障害として認め、肩関節の障害は認めていない

・運動機能の一次健康診断としては、最大握力(瞬発握力)、5回法による維持握力が行われる。

・二次健康診断としては、60%法による維持握力、つまみ力、タッピングを行う。

・また、必要に応じてエックス線写真撮影も行う。

 

振動工具管理責任者

・振動工具を有する事業場においては 、振動工具管理責任者を選任し、振動工具の点検・整備状況を定期的に確認し、記録する。

 

振動障害の認定基準について

【振動障害の認定基準について】
さく岩機、鋲打機、チェンソー等の振動工具を取り扱うことにより身体局所に振動ばく露を受ける業務(以下「振動業務」という。)に従事する労働者に発生した疾病であって、次の1及び2の要件を満たし、療養を要すると認められるものは、労働基準法施行規則別表第1の2第3号3に該当する業務上の疾病として取り扱うこと。
(中略)
1 振動業務に相当期間従事した後に発生した疾病であること。

2 次に掲げる要件のいずれかに該当する疾病であること。
(1)手指、前腕等にしびれ、痛み、冷え、こわばり等の自覚症状が持続的又は間けつ的に現われ、かつ、次のイからハまでに掲げる障害のすべてが認められるか、又はそのいずれかが著明に認められる疾病であること。
イ 手指、前腕等の末梢循環障害
ロ 手指、前腕等の末梢神経障害
ハ 手指、前腕等の骨、関節、筋肉、腱等の異常による運動機能障害

(2)レイノー現象の発現が認められた疾病であること。

日振動ばく露量A(8)

日振動ばく露量A(8)

・「日振動ばく露量A(8)」とは、1日当りの振動ばく露量であり、工具の3軸合成値a(m/s²)及び1日当たりの振動ばく露時間Tから次式により算出する。

 

a:周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値(m/s²)

T:1日当たりの振動曝露時間(時)

 

「3軸合成値」とは

・使用する振動工具のすべての振動に対し、人体に影響を与える周波数帯域を抽出し、周波数ごとの補正を行って振動の強さとして表した振動値を、前後、左右、上下の3方向測定して合成した値。

・これは手腕への振動の強さを表す。

a=「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」[m/s²]

 

複数の振動工具を用いる場合

・複数の振動工具を用いる場合、A(8)は個々の振動工具のA(8)の二乗和の平方根となる。

 

 

「日振動ばく露量」の管理について

・計算した「日振動ばく露量A(8)」にもとづき、以下の①から③のように管理してください。

① 合計の日振動ばく露量A(8)が、「日振動ばく露限界値」である5.0m/s²を超えないように振動ばく露時間の抑制(工具の使用時間を短くする)、低振動の工具の選定等を行う。

② 合計の日振動ばく露量A(8)が、日振動ばく露限界値(5.0m/s²)を超えない場合であっても、「日振動ばく露対策値」である2.5m/s²を超える場合は、振動ばく露時間の抑制、低振動の工具の選定等に努める。

③ 日振動ばく露限界値に対応した1日の振動ばく露時間(振動ばく露限界時間)が2時間を越える場合、当面、1日の振動ばく露時間を2時間以内とする。

 

 

予防

・できるだけ振動の少ない振動工具を選定すること

・防振手袋、耳栓等の保護具を支給すること

軟質の厚い防振手袋等を作業者に使用させる

体操の実施

作業開始時及び作業終了後に手、腕、肩、腰等の運動を主体とした体操を行うこと。

なお、体操は、作業中も随時行うことが望ましいこと。

下草払い、小枝払い等は、手鋸、手おの等を用い、チェーンソーの使用をできる限り避けること

・移動の際はチェーンソーの運転を止め、かつ、使用の際には高速の空運転を極力避けること

・適切な作業標準の設定、適切な作業に関する教育等により、適切な作業方法を徹底すること

・休憩設備、衣服等の乾燥設備、暖房設備などの整備を図ること

・健康診断の実施及びその結果に基づく措置を図ること

チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針

チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針

・ハンドル等は、過度に強く握らず、かつ、強く押さない。

・肩、腹、腰等、手以外の部分で工具を押す等工具の振動が直接身体に伝わる作業方法は、避けること

「振動工具(チエンソー等を除く)の取扱い等の業務に係る特殊健康診断について」

・特殊健康診断は1年に2回実施。

・そのうち1回は冬季に行うとよい

 

日常生活における保健指導

(1)防寒・保温等に配慮すること
(2)体操、入浴、乾布摩擦、マッサージ等を励行すること
(3)栄養に配慮するとともに、喫煙を控えること

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