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糖尿病網膜症

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疾患

・糖尿病コントロール不良例の発症5~10年で起こることが多い

・糖尿病網膜症存在下では、急激な血糖改善はかえって網膜症の進行を推し進めてしまう。

そのため「緩やかな血糖コントロール(HbA1cで月0.5~1%程度)」が網膜症の病勢コントロールに重要である。

 

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国際重症度分類(網膜症重症度)

 

1)無

・網膜症なし

 

2)非増殖

軽症非増殖網膜症

・毛細血管瘤のみ

 

中等症非増殖網膜症

・毛細血管瘤以上の病変が認められる重症非増殖網膜症よりも軽症のもの

 

重症非増殖網膜症

・眼底4象限で20個以上の網膜内出血
・2象限での明瞭な数珠状拡張、
・明確な網膜内細小血管異常
上記のいずれかを認める
増殖網膜症の所見を認めない

 

3)増殖

増殖網膜症

・新生血管または硝子体・網膜前出血のいずれかを認めるもの

 

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Davis分類(網膜症病期)

単純糖尿病網膜症(SDR)

・網膜毛細血管瘤

・網膜出血(点状・斑状・線状)

・硬性白斑

(血管網膜関門の破綻によりリポ蛋白などの血漿成分が漏出し外網状層に蓄積したもので、黄斑部に集積すると永続的な視力障害の原因となる)

・網膜浮腫

・少数の軟性白斑

・視力、視野に異常がみられない

硬性白斑→D2

血管から漏出した脂肪や蛋白など滲出物が網膜内に固形化し蓄積したもの

境界がはっきりしており、見た目が硬い印象がある

(糖尿病以外に、高血圧性網膜症でもみられる)

毛細血管瘤(高血糖が長く続くことで糖代謝異常が生じ、毛細血管の基底膜や壁細胞が障害されることによって形成される)

点状出血(毛細血管瘤あるいは毛細血管からの出血)

斑状出血(点状出血、毛細血管瘤より病態が進行した状態)

 

※毛細血管瘤と点状出血は眼底写真では鑑別困難(蛍光眼底造影検査が必要)

 

 

増殖前糖尿病網膜症(pre-PDR)

・軟性白斑

神経線維層の限局性の虚血性梗塞で、毛細血管閉塞領域に生じる軸索原形質の破壊物の蓄積。

SDRでも見られることがあるが、進行すると軟性白斑の部位に一致して「網膜無灌流領域」が認められるるようになり、pre-PDRへと移行する

・静脈異常
・網膜内細小血管異常
(網膜無血管野:蛍光眼底撮影)

軟性白斑(綿花様白斑)→D2

境界が不明瞭で綿花のようにフワフワしているように見える

網膜毛細血管の虚血による網膜表面の浮腫を示す

(糖尿病以外に、高血圧性網膜症、SLE、網膜静脈閉塞症でもみられる)

レーザー光凝固の適応(新生血管発生抑制による硝子体出血予防のため)

・網膜静脈血管拡張、蛇行

血管障害による

・網膜浮腫

網膜血管壁障害による網膜内への水分漏出による

眼底検査では網膜の色調が白~灰色っぽく濁っているように見える

・網膜無血管領域

蛍光眼底造影検査で判明

糖尿病による凝固能亢進、毛細血管内皮障害による虚血

増殖糖尿病網膜症(PDR):初めて自覚症状が出現

・新生血管(網膜・乳頭上)
・網膜前出血
・硝子体出血
・線維血管性増殖膜
・牽引性網膜剥離

新生血管

脆いため、硝子体出血を起こしやすい

汎網膜光凝固術の適応

・線維血管性増殖膜

・硝子体出血

写真が全体に濁って見える

・牽引性網膜剥離

 

糖尿病黄斑浮腫

※どの病期にも生じうる

限局性浮腫

びまん性浮腫

類嚢胞黄斑浮腫

・黄斑部の浮腫

・いずれの病期でも起こり得、視力障害をきたす

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