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ジギタリス製剤(種類と使い分け、ジギタリス中毒)

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適応

心機能低下例の頻脈性心房細動に対して使用可能(陰性変力作用がない)

 

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ジギタリス製剤の種類

ジゴキシン(ジゴシン®、ジゴキシン®)

散:0.1%(1g中ジゴシン1㎎)

錠:0.25mg

注:0.25mg/A

 

デスラノシド(ジギラノゲン®) ※積極使用の必要性はあまりなし

注のみ:0.4㎎/A

 

メチルジゴキシン(ラニラピッド®)

ジゴシンを腸管からの吸収率を高くするように改良した製剤。

錠のみ:0.05㎎、0.1㎎

 

各製剤の違い

・いずれも「ジキタリス製剤」に分類される。

・適応も「心不全、心房細動・粗動、上室性不整脈」で同様。

・全て腎排泄

・半減期に違いがあり、ジゴキシンの半減期は35~48時間なのに対して、デスラノシドの半減期は「2相性」である。

2相性の半減期とは:

・ある種の薬は「体内で吸収される過程」「薬が体中に行きわたる過程」「薬が代謝・不活性化させる過程」による影響により、2種類の半減期をもつことがある。

・この2種類の半減期のことを「半減期の2相性」とい

・デスラノシド(ジギラノゲン®)の第1相(分布相)の半減期は24~28分、第2相(排泄相)の半減期は 42~43時間。

 

デスラノシド(ジギラノゲン®)は作用発現が早く、10~30分(ジゴキシン注は15~30分)、

かつ最大効果時間が早く1~2時間(ジゴキシン注は1.5~5時間)

経口剤では吸収率が良好で、腎臓からの排泄が速やかなジゴキシンが多用される。

・血中濃度は、ジゴシンは成分であるジゴキシンの濃度を測定することが可能。

しかし、デスラノシド(ジギラノゲン®)は直接測定することができず、濃度を推定する方法になり、正確ではない。

・メチルジゴキシン(ラニラピッド®)は、ジゴシンを腸管からの吸収率を高くするように改良した製剤。

・服用後に効果が現れるまでに、ジゴシンでは約15~30分ほどかかるが、ラニラピッドは約 5~20 分と効果の発現が早いのが特徴。排出速度は同程度であるため、効果持続時間はほぼ同じ。

・構造に関して、ラニラピッドはジゴシンの末端にある水酸基を選択的にメチル化した化学構造。効果に関してはほぼ同程度なので、即効性が一番の違い。

・また、ラニラピッドはジゴシンよりも吸収率が高く、ジゴシンの投与量の2/3を目安に用量を調整しする必要がある。

例)ジゴシン0.5mgからラニラピッドへ切り替える場合には、約0.33mgに減量する

 

【まとめ】

デスラノシド(ジギラノゲン®)を積極的に使う必要性はあまりなさそう

 

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頻脈時のジゴキシン(ジゴシン®、ジゴキシン®)投与指示

指示例)

ジゴシン注(0.25㎎)1A+生食50mL 

30分ペースで点滴静注

数時間あけて、1日3回まで

 

ジギタリス中毒

・血中濃度基準値:0.8ー2.0ng/mL

・実際には、0.5-0.8ng/mLの低濃度群で死亡率が低いとされる

クラリスロマイシンはCYP3A4で代謝され、ジギタリス内服中の患者に追加投与されると、有意にジギタリス中毒になる危険性があるため、併用に注意すること

 

 

 

 

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