特徴
・気分安定薬とは、双極性障害(躁うつ病)において双方向性(抗操、抗うつ)の作用をもち、また気分変動を抑制し、躁うつ両病相の予防効果をもっ薬物の総称。
・気分安定薬の薬理作用については不明である。
薬剤各論
① バルプロ酸ナトリウム(デパケン®)
・抗てんかん薬の一つ
・ラピッドサイクラー(急速交代型:躁状態とうつ状態のサイクルを急速に繰り返す状態)によい適応
・イライラ感や衝動性に対して効果があり、穏やかな鎮静作用を持つ
・抑うつ状態には効果がない
・肝代謝型であり、腎機能障害でも使用しやすい
・処方例
400~1200㎎/日、1日2~3回に分服
② カルバマゼピン(テグレトール®)(第2選択以下)
・抗てんかん薬の一つ
・デパケン同様、抑うつ状態に対しては効果がない
・イライラ感や衝動性、特に爆発的な衝動性に効果がある
・また疼痛に対する効果もある
・皮膚障害の副作用が出やすいため、他の薬剤が無効の時に検討される(第2選択以下)
・処方例
200~400㎎/日を1日1~2回に分服、効果が得られるまで600㎎/日に増量
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