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深部静脈血栓症(所見、スコア)

DVTを疑う所見

・限局性浮腫(片側下肢)

・急性発症(<72時間)

・腫脹>発赤、熱感(腫脹が発赤や熱感より目立つ)

(↔蜂窩織炎では発赤や熱感が腫脹より目立つ)

Pratt徴候

下肢挙上でも表在静脈が虚脱しない(感度29%、特異度85%)

 

深部静脈エコー

・リニアプローベ使用。

・救急外来では2点検査(大腿静脈と膝窩静脈の2か所)を行う

・膝窩静脈は可能であれば腹臥位で、難しければ仰臥位で膝を立てて股関節を軽度外旋させると描出しやすい

・血栓の有無は

① カラードプラで血流の評価

② 圧迫で血管腔が潰れるかどうか

で判断する

 

危険因子

・悪性腫瘍術後、股関節、膝関節の人工関節、血管内治療の既往(1年以上経過した場合でも)

・炎症性腸疾患

・心筋梗塞

・脳梗塞

・関節リウマチ

・凝固異常

・最近、または現在のステロイド治療

 

 

WellsスコアDVT用(Wells score for DVT)

・活動性の悪性腫瘍(6か月以内治療や緩和的治療を含む):1点

・下肢の完全麻痺、または不全麻痺、または最近のギプス固定:1点

・臥床安静3日以上、または4週以内の大手術 (全身麻酔または部分麻酔を伴う大手術):1点

・深部静脈走行部に沿った局所的な圧痛:1点

・片側下肢全体の腫脹:1点

・非対称性の腓腹部腫脹(脛骨粗面の10㎝下方において左右差>3㎝):1点

・非対称性の圧痕性浮腫:1点

・表在静脈の側副血行路の発達 (静脈瘤によるものは除外):1点

・既住のDVT (以前に客観的所見で診断されたDVTの既往あり):1点

・深部静脈血栓症と同等、またはそれ以上に疑わしい鑑別疾患がある:-2点

 

高リスク:3点以上(LR+5.9)
中リスク:1~2点(LR+NS)
低リスク:0点以下(LR+0.2)
中、低リスクの場合:Dダイマー測定し、陽性なら超音波検査へ、陰性なら除外
※Dダイマー陰性<500ng/mL(50歳以上は年齢×10ng/mL)
高リスクの場合:エコー検査施行。エコーで陰性ならDダイマー確認、陰性ならDVT除外、陽性なら1週間以内にエコー再検

 

治療

未分化ヘパリン(低分子は保険適応なし)

・急性期に5日間使用、その後ワルファリン経口に移行

 

DOAC

・急性期から単独で治療可能

※ダビガトラン(プラザキサ®)には深部静脈血栓症の適応はない

 

Ⅹa阻害薬(フォンダパリヌクス(アリクストラ®))

 

 

 

 

 

 

 

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