診察の手順
1.見た目のABCから緊急性を捉える(トリアージ)
・意識障害はないか?→あれば血糖測定を!
・循環不全はないか?→全例CRTを!
参照:https://drgawaso.com/15910296-2/51/
2.異常があればすぐ行動
・意識障害あり→簡易血糖測定
・vital signでABCを数値化→異常があれば、SOS(SpO2モニター、酸素5Lマスク、相談)
3.鑑別疾患
・虫垂炎(2歳以下は少ない、6歳上の学童に多い(ピークは9~12歳))
・腸重積(生後6~12か月が最も多い。6歳以上では少ない)
・髄膜炎
・代謝性疾患など
↓
4.病歴・身体所見
5.脱水の評価
・皮膚のturgor→腹壁で評価
・呼吸状態→深い、早い→アシドーシス
・CRT(capillary refilling time):
指先が白くなるまで5秒間程度圧迫し、解除してから元の色に戻るまでの時間
正常2秒未満、3秒以上で循環不全
・粘膜乾燥(口腔、舌)
・涙が出るか
・目の陥没
経口補水液指導:軽度~中等度で緊急性疾患でない場合
・経口補水液(ORS)は、糖と塩分のバランスが良く、糖と水分の吸収を促進する(Na-Glc transporter)
・経口補水液(ORS)は自宅で作れる
水800ml+100%オレンジジュース200mL+砂糖20g(大匙2杯)+塩5g(小匙1杯)
・市販のORS(OS-1®など)でもOK。OS-1ゼリー®でもOK
OS-1®、OS-1ゼリー®
ソリタT配合顆粒2号®
明治アクアサポート®
アクアソリタ®
※市販のスポーツドリンクは甘いだけで塩分が少なく、不適切
ORSの飲ませ方
・5~10分毎に、チビチビ(スプーン1杯ずつ与えるのがコツ)。
・一気に飲ませると吐いてしまう。この指導が大事!
・軽度脱水なら、2倍希釈のリンゴジュースでも可
投与量
・軽度:30~50 mL / ㎏ を4時間で
・中等度:60~90mL/ ㎏ を 4~6時間で
※
嘔吐1回ごとに2mL/㎏追加
下痢1回ごとに10mL/㎏追加
維持輸液(維持補液)量、速度の算出(4-2-1ルール)
・体重0~10kg:
体重✕100mL/日 、4✕体重mL/時
(10kgで1000mL/日、40mL/ 時)
・体重10~20kg:
1000mL+(体重-10)✕50mL/日、40+2✕(体重ー10)ml/時
(20kgで1500mL/日、60mL/時)
・体重>20kg:
1500mL+(体重-20)✕20mL/日、60+1 ✕(体重ー20)mL/時
(30kgで1700mL/日)
※上限は2400mL/日とする
小児の年齢からの体重の概算法
予想体重=年齢✕2+8(kg)
覚え方:
年齢をダブル(W✕2)+eight(weight:8)
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