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COPD

COPDを疑わせる症状

・労作時息切れ

・慢性の咳、痰

・Dahl徴候(座位の時、横隔膜平坦化を改善させようと前屈位を好む)

↔心不全徴候との鑑別(心不全では前屈位では腹圧が上昇することによって静脈還流量が増加し息苦しくなるため、椅子の背もたれにどっかと寄りかかるようにして座るのを好む:前屈呼吸苦)

 

症状の評価

mMRC(modified British Medical Research Council:修正MRC)

息切れ度の評価

Grade 0:激しい運動をしたときだけ息切れがある

Grade 1:平坦な道を早足で歩く、あるいはゆるやかな上り坂を歩くときに息切れがある

Grade 2:息切れがあるので,同年代の人よりも平坦な道を歩くのが遅い、あるいは平坦な道を自分のペースで歩いているとき、息切れのために立ち止まることがある

Grade 3:平坦な道を約 100 m,あるいは数分歩くと息切れのため立ち止まる

Grade 4:息切れがひどく家から出られない,あるいは衣服の着替えをするときにも息切れがある

 

CAT

QOL評価

 

このサイトより引用:http://www.gold-jac.jp/support_contents/cat.html

 

 

 

喫煙歴の確認

参照:喫煙、禁煙指導

 

・喫煙の量を示す国際的な指標。

・計算式:

pack-years=(1日の喫煙本数/20本)×喫煙年数

すなわち、「1日のタバコの箱数×年数」を表す。

・クリニカルパールとしては、記憶しやすいように
「喫煙歴20 pack-yearsの患者の20%がCOPDである」と覚えておく。

・特に20pack-yearsを超えていれば、「目の前の患者さんは少なくとも20%の確率でCOPDがある」と考え、積極的に呼吸機能検査を行う必要がある。

・40pack-yearsなら尤度比 19.1

 

 

身体所見

気管短縮(肺過膨張による所見)

・輪状軟骨(甲状軟骨の下にある軽い突出)から胸骨切痕までの距離
・正常では2横指(3㎝)以上入る
・1横指程度しか入らない場合は気管短縮(→肺過膨張)と診断

 

肺胞呼吸音減弱、打診で過共鳴音

 

打診で心濁音界消失(滴状心)

・正常の心臓は胸骨正中部から左鎖骨中線の程度
・滴状心では打診で心臓の濁音が消失し、鼓音しか聞かれない

 

心窩部心尖拍動触知(滴状心)

 

 

Hoover徴候(横隔膜平底化)

・吸気時横隔膜収縮時に、胸郭下部の収縮、下部肋間の陥没を認める

 

吸気早期crackle

・閉塞した末梢気道が吸気早期に開くときに聞かれる。
・開口した口元に聴診器を近付け、呼吸してもらう。
・1秒率≦45%と予測できる

 

吸気時鎖骨上窩、肋間腔の陥凹

・吸気時の過剰な気道抵抗による胸腔内過剰陰圧が原因

 

呼気延長、口すぼめ呼吸

 

 

検査

 

呼吸機能検査(スパイロメトリー)

 

「閉塞性換気障害」

・気管支拡張薬吸入後の1秒率(FEV1%)<70%を示す。

・1秒率=FEV1(1秒量)÷ FVC(努力肺活量)

参照:呼吸機能検査

 

胸部X線検査(可能なら胸部CT)

肺癌、心不全、気管支拡張症の除外

 

その他(血液ガス、心電図)

呼吸不全や肺性心合併を考える場合に必要

 

 

 

薬物療法

 

薬物治療の原則:

・安定期に労作時呼吸困難(mMRC>1)やQOL低下(CAT≧10点)などの慢性的な呼吸器症状を認める場合に開始。

・労作時呼吸困難の改善には吸入タイプの気管支拡張薬(長時間作用型抗コリン薬(LAMA)、またはβ2刺激薬(LABA))が第一選択。

・吸入困難な場合は貼付薬でも可

・単剤でコントロール困難な場合はLAMA、LABAを併用する。

・それでもダメならSABA、SAMA屯用の併用や、徐放性テオフィリン剤の内服追加

 

LAMA:

禁忌

・尿閉または排尿障害を呈する前立腺肥大症

・未治療の閉塞隅角緑内障

 

スピリーバレスピマット(2.5μg)®

 

1回2吸入、1日1回

 

 

 

 

スピリーバ吸入用カプセル(18μg)

1回1カプセル 1日1回

スピリーバカプセルの使い方

 

 

LABA:

オンブレス吸入用カプセル(150μg)®

1回1カプセル 1日1回

成人編吸入動画 ブリーズヘラー【手順編】
セレベント50 ディスカス®

1回50μgを1日2回 朝および就寝前

 

 

LAMA / LABA配合剤

ウルティブロ吸入カプセル(150μg)®

1回1カプセル 1日1回

 

アノーロエリプタ®

1回1吸入 1日1回

 

 

吸入ステロイド

・%FEV<60%の場合は吸入ステロイドを併用

※注意点

・安易にICS(肺炎リスク↑)やテオフィリンを処方しないこと
・ICSはACO(asthma and COPD overlap)の合併例や

LAMA/LABAを使用しても急性増悪を繰り返す例、

好酸球が300/µL以上の例にしか推奨されない。

 

在宅酸素療法(適応)

(令和2年3月5日 保医発0305第1号より引用)

・在宅酸素療法の対象疾患は、高度慢性呼吸不全例、肺高血圧症、慢性心不全、チアノーゼ型先天性心疾患及び重度の群発頭痛の患者である。

・高度慢性呼吸不全例のうち、対象となる患者は在宅酸素療法導入時に動脈血酸素分圧55mmHg以下の者及び動脈血酸素分圧60mmHg以下で睡眠時または運動負荷時に著しい低酸素血症を来たす者であって医師が在宅酸素療法を必要であると認めた者。

・慢性心不全患者のうち、医師の診断により、NYHAⅢ度以上参照)であると認められ、睡眠時のチェーンストークス呼吸がみられ、無呼吸低呼吸指数が20以上であることが睡眠ポリグラフィー上確認されている症例とする。

・群発頭痛の患者のうち、群発期間中の患者であって、1日平均1回以上の頭痛発作を認める者。

 

生活指導

・何はともあれ禁煙
・吸入指導:薬剤師に丸投げではなく、医師も患者の前で実演して患者のやり方をチェックすること。
・インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンの接種

 

呼吸リハビリテーション

原則

・全身持久力訓練が最も推奨される(平地歩行、階段昇降、踏み台昇降、自転車エルゴメーター、トレッドミルなど)

 

 

具体的指導

口すぼめ呼吸

・口すぼめ呼吸は鼻から息を吸った後、口をすぼめて長く息を吐くことで気道内圧が高まり、末梢気管支が開きやすくなる。

・吸気:呼気=1:2の割合

 

ハッフィング(huffing)

腹筋を使いながら「ハッ!ハッ!」と声を出さずに勢いよく息を吐き、その後に咳をする。
→効率よく痰を喀出することができる。

 

ストレッチ

・肩回し、肩すくめ、両手を左右に分回しして腰を左右に捻じる、大きく両手を開いて胸を張る
・辛くない範囲で5~10回ずつ、1日2回を目安に

 

歩行(呼吸同調法)

・2歩歩いている間に息を吸って、次の4歩で口をすぼめてゆっくり吐く
・週3回以上、1回20分以上

 

BODE index(予後予測ツール)

 

 

B:body mass index

O:airway obstruction:1秒量(FEV1.0)

D:dyspnea:mMRCで評価

E:exercise capacity:6MDで評価

 

急性増悪時の治療

酸素

・SpO2は88~92%を目標に酸素投与

・呼吸性アシドーシス(pH≦7.35、PaCO2≧45)では非侵襲的換気(NIV)を考慮(参照:NPPV (Noninvasive Positive Pressure Ventilation: 非侵襲的陽圧換気 ))

 

ステロイド

プレドニゾロン30~40㎎/日(10~14日間)

 

気管支拡張薬

SABA(サルタノール、メプチン)+SAMA(アトロベント、テルシガン)

 

抗菌薬

・肺炎合併例、喀痰増量・膿性化がある場合に考慮

 

 

 

緩和治療

オピオイド

・非がん疾患で適応のあるオピオイドは「リン酸コデイン」と「モルヒネ」のみ。

・リン酸コデインは体内でモルヒネに代謝され、リン酸コデイン60㎎が経口モルヒネ10㎎が等価である。

 

処方例

・経口即効型モルヒネ(オプソ®) 2.5㎎/回、4時間以上間隔をあけて内服

・経口持効型モルヒネ(MSコンチン®)10㎎ 1日1回

・モルヒネ0.5㎎/1回静注、4時間毎もしくは呼吸困難時のみ使用

・モルヒネ6~10㎎/日、持続静注

 

抗不安薬(ベンゾジアゼピン)、抗うつ薬

・ミルザタピン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

総合診療 2020年6月号 特集 下降期慢性疾患患者の“具合”をよくする ジェネラリストだからできること!

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