脳神経系

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総合診療・家庭医療

オトガイしびれ症候群(Numb chin syndrome:NCS)

疾患 ・NCSとは、オトガイ神経分布域(下顎、下口唇、歯肉)の感覚異常を特徴とする神経障害をきたす症候群である ・下歯槽神経障害による ・歯科的な原因が明らかでない時は乳癌や血液学的悪性腫瘍などのよる可能性が考えられるため、病因の検索が必要...
脳神経系

顔面神経障害(診察、鑑別)

顔面筋の診察 1)顔面上部(額のしわ寄せ) ・検者の指を注視してもらい、上にあげた指を頭を動かさずに追視してもらうと額に皺が寄る ・額の筋は両側支配であるため、末梢性ではしわ寄せができないが、中枢性では上部顔面の麻痺はなくしわ寄せができる ...
脳神経系

低随液圧症候群

疾患 ・スポーツや外傷、出産を契機として髄液の漏出が生じ、低随液圧となる疾患 ・慢性頭痛の原因として近年発見が増加している 症状 ・臥位で改善し、起立時に増悪する慢性頭痛 ・頭痛は立位により数分~数時間かけて増悪するが、一部で劇症型の頭痛を...
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脳神経系

脳静脈洞血栓症

疑うべき所見 ・髄膜炎にしては熱はないが、頭痛が増悪傾向にある ・腰椎穿刺で細胞数は正常であるが、圧が高い ・頭部CTで脳が腫れている ・通常の血管支配領域を超えた梗塞範囲を来す脳梗塞や出血性梗塞、機序不明の梗塞の場合に鑑別に想起する ・若...
救急

transient smartphone blindness

疾患 ・暗い中、側臥位で片眼(例:右眼)を枕にうずめ、左眼だけでスマートフォンの明るい画面を見る状況を想定する。 ・スマホを消し両眼視に戻ると、うずめた枕の暗さに適応していた右眼に比べ、明るい画面に適応していた左眼は暗順応に時間を要し、一時...
救急

切迫するD、脳ヘルニア徴候

切迫するD(Dysfunction of CNS) ① GCS≦8点 ② 急速に意識低下(GCS2点以上) ③ ヘルニア徴候 ヘルニア徴候 ・瞳孔左右差 ・片麻痺 ・高血圧と徐脈 「切迫するD」の対応 ① 挿管 ② 脳外科コール ③ 頭部C...
脳神経系

MLF症候群

疾患 ・橋のPPRF(paramedian pontine reticular formation:傍正中橋網様体)と中脳の動眼神経を結ぶ神経線維束(内側縦束:medial longitudinal fasciculus:MLF)が障害され...
診察・検査

脳神経の覚え方

「嗅いで見る動く車の三の外、顔耳のどに迷う副舌」 第I脳神経 嗅神経 (知 )嗅覚 第II脳神経 視神経 (知) 視覚 第III脳神経 動眼神経 (運、副) 眼球運動(外眼筋・瞳孔括約筋・毛様体筋) 第IV脳神経 滑車神経 (運) 眼球運動...
救急

複視

複視のアプローチ まずは「片眼性」か「両眼性」かを鑑別 片眼性複視 ・単眼毎の疾患や屈折異常(乱視など)、眼科疾患であることが多い 両眼性複視 ・斜視がある時に存在する複視 ・眼科疾患でないことが多い 斜視の分類 ① 内斜視 ・片眼が内側に...
救急

可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome:RCVS)

疾患 ・原因不明の可逆性の多発脳動脈の攣縮により、数日~数週間にわたる再発性の雷鳴頭痛、痙攣、神経学的症状を伴う疾患。 ・クモ膜下出血でない雷鳴頭痛のうち40%を占める ・多くは3か月以内に自然軽快し予後良好である ・脳梗塞、SAH、脳内出...
総合診療・家庭医療

眼球上転発作(oculogyric crisis)

疾患 ・眼球の固定方向への不随意の痙縮運動 (上転が最も多いが、その他の眼位のこともある) ・「下を見ようとしてもみることができない」という訴えで来院 ・原因として、ドパミン作動経路の障害と考えられている(ドパミン遮断薬、脳炎、てんかん、ヒ...
脳神経系

延髄内側症候群(Dejerine症候群)

疾患 ・椎骨動脈 V4(硬膜を貫通してから対側のVAと合流するまでのsegment)から分岐する延髄傍正中動脈あるいは脳底動脈の閉塞による疾患。 ・両側性のこともある。 ・顔面を除く、対側の上下肢麻痺、感覚障害がおこる。 皮質脊髄路(錐体路...
脳神経系

多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)

概要 ・多系統萎縮症(multiple system atrophy:MSA)は成年期(30歳以降、多くは40歳以降)に発症し、組織学的には神経細胞とオリゴデンドログリアに不溶化したαシヌクレインが蓄積し、進行性の細胞変性脱落を来す疾患であ...
脳神経系

失語症(定義、鑑別)

失語症の定義 ・大脳皮質言語野や基底核の障害により、言葉を読んだり聞いたりして理解することや、話したり書いたりして表出することができなくなる状態 鑑別 全く会話ができない→無言症 ↓ 発話ができる ↓ 流暢か否か、話している内容が理解できる...
救急

脳卒中急性期の血圧管理(ガイドライン2021)

脳卒中治療ガイドライン2021 発行日 2021年7月15日 ● 編集 一般社団法人日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会 ● 発行 株式会社協和企画 ● 定価 8,800円(本体8,000円+税10%) 脳梗塞急性期 ・脳梗塞急性期の高...
脳神経系

REM睡眠行動異常

・REM睡眠中にもかかわらず骨格筋が動き、夢の内容に合わせた寝言や体動を特徴とする障害 ・REM睡眠が主体となる睡眠の後半に集中して起こるため、明け方により多く見られる ・主に男性にみられる(男女比9:1) ・パーキンソン病、多系統萎縮症、...
脳神経系

低髄液圧症候群

原因 ・外傷、スポーツ ・出産 症状 ・平均年齢38歳、女性に多い ・起立時に増悪し、臥位で改善する頭痛 ・悪心、嘔吐 ・疲労感 ・髄膜刺激症状(後頭部通痛、項部硬直) ・視覚障害、羞明 検査 1)頭部MRI(矢状断) ・硬膜肥厚 頭蓋内が...
脳神経系

非痙攣性てんかん重積状態(non-convulsive status epileptics:NCSE)

概念 ・痙攣は目に見えないが、実際にはてんかん発作が起きている状態 ・持続脳波検査が診断に有用だが、実施できる施設は限られる →臨床所見から疑われれば、診断的治療を行う。 臨床所見 ・てんかんの既往がある、または高齢者 ・てんかん後や脳血管...
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