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労働災害(労働災害が起きた際の事業者の責任)

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労災統計

・労働災害による死亡者数は、平成27年(2015年)以降は年々減少傾向にあり、毎年1,000人を下回っている(2022年:774人)

・なお、2017年から2020年(令和2年)までは、死亡災害は毎年減少していたが、その前後、2017年と2021年(令和3年)は、それぞれ前年を上回っている。

 

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労働災害が発生した場合の責任

労働災害が発生した場合、会社側は①刑事上の責任、②民事上の責任、③行政上の責任、④社会的な責任の4つの責任を負う可能性があります。

 

① 刑事上の責任

・労働安全衛生法違反

・業務上過失致傷罪

 

刑事上の責任としては、労働安全衛生法違反の罪と刑法上の業務上過失致死傷罪に問われる可能性があります。

1)労働安全衛生法違反について

労働安全衛生法は、事業者に対して安全措置義務を課すとともに、両罰規定を設けています(同法122条)。
そのため、同法違反が認められると、実際に違反をした者が罰金に処される(同法116条、117条、119条、120条)だけでなく、会社も罰金に処されます。

2)業務上過失致死傷
安全配慮義務を怠った役員や社員は業務上過失致死傷罪に問われる可能性があります。

② 民事上の責任

・損害賠償

 

被災した労働者は、労災給付を受けることができますが、それはすべての損害について填補するものではありません。
そのため、会社は民事上の損害賠償責任を追及される可能性があります。会社に民事上の損害賠償責任を問う場合の法的根拠としては、

1)不法行為責任(民法709条の一般の不法行為責任、715条の使用者責任、717条の工作物責任)
2)安全配慮義務の債務不履行(労働契約法5条、民法415条)
3)自動車損害賠償保障法に基づく運行供用者責任(自賠法3条)

があります。
また、役員や社員個人も709条に基づき不法行為責任が追及される可能性があります。

③ 行政上の責任

・操業停止、許可取り消し等の行政処分

 

労働災害が発生した場合、労働基準監督署からの是正勧告や改善指導、機械設備の使用停止や作業停止等の行政処分等を受ける場合があります。

 

④ 社会的責任

・企業の信頼性の低下

・企業の運営基盤の損失

 

労働災害が報道されることにより、企業の信用の失墜や、社会的評価を下げる可能性があります。

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