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自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis、AIH)

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疾患

・自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis、AIH)とは、発症・進展に自己免疫機序が関与していると考えられる慢性肝疾患で、抗核抗体、抗平滑筋抗体などの自己抗体が陽性で、IgG高値が特徴である。

・急性発症例(約10%)と慢性肝障害(約90%)での発症がある。急性発症例では全身倦怠感、黄疸を呈することが多い。慢性肝障害での発症例では、自覚症状を欠く症例がまれでない。

・急激に進行して肝不全となる症例がある。

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想起される状況

・発症様式は、急性発症が約10%、慢性肝障害で発症するのが約90%で、ウイルス性肝炎、薬物性肝障害、アルコール性肝障害、NAFLDなどが否定されたとき、原因疾患として想起する。

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診断

・血液検査所見では、肝細胞型肝障害(トランスアミナーゼ:AST・ALTが上昇)に加えて、高γグロブリン血症(IgG上昇)、抗核抗体抗平滑筋抗体など自己抗体陽性が特徴である。

・特異性の高い血液診断マーカーはなく、既知の肝障害を否定し、AIH診断指針(厚生省「難治性の肝疾患」調査研究班)やAIH スコアリングシステムを利用し、総合的に診断する

・AIHが疑われた場合、原則として確定診断のため組織学的検査を行う。¥・肝病理診断では、interface hepatitis(肝実質と門脈域の境界部に、炎症細胞浸潤を認めること)、形質細胞浸潤、肝細胞のロゼット形成、中心静脈周囲の脱落壊死が特徴である。腹腔鏡検査では、溝状陥凹や赤色紋理が特徴である。

原発性胆汁性胆管炎との鑑別

・肝細胞に対する免疫異常が自己免疫性肝炎で、胆管に対する免疫異常が原発性胆汁性胆管炎

・いずれも中年以降の女性に発症しやすく、両疾患を併発する場合もある。

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